日蓮正宗のススメ

万民一同に南無妙法蓮華経と唱え奉らば吹く風枝をならさず雨壤を砕かず

「京都アニメーション・スタジオ」放火殺人事件を「罪と罰〈上〉〈下〉」 (新潮文庫) ドストエフスキー (著), 工藤 精一郎 (翻訳)から読み解く

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青葉容疑者。子供のころは可愛かったんだね。


www.nikkei.com

www.asahi.com

1 大量殺人者の正体

daiki-global.work

青葉真司という41歳の男の名前と写真が、インターネット上で晒されています。

私は偶然、ドストエフスキー罪と罰〈上〉 (新潮文庫)罪と罰〈下〉 (新潮文庫)を本日、読了したばかりでした。

先日、現代の闇に棲息するラスコーリニコフたちに向けて、記事を書いたばかりでした。 

nichirendaihonin.hatenablog.com

まさに、予言の書を読み解いてしまった感覚に慄いています。

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現在の青葉容疑者。何があったんだ?

2 現代を予言するドストエフスキー罪と罰」、ラスコーリニコフとは? 

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

 
罪と罰〈下〉 (新潮文庫)

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)

 

以前、岩波文庫の「罪と罰」を読了していましたが、終活ならぬ終読に取り組んでいる私は、悪霊(上) (新潮文庫)悪霊(下) (新潮文庫)に続いて、積読化していた罪と罰〈上〉 (新潮文庫)罪と罰〈下〉 (新潮文庫)を読みふける日々の中、今回の京都アニメ放火事件の報に接したのです。

ニュースを知った時「ラスコーリニコフだ!」と心の中で叫んでいました。

罪と罰とは?

あらすじ[編集]

帝政ロシアの首都、夏のサンクトペテルブルク。学費滞納のため大学から除籍された貧乏青年ラスコーリニコフは、それでも自分は一般人とは異なる「選ばれた非凡人」との意識を持っていた。その立場なら「新たな世の中の成長」のためなら一般人の道徳に反してもいいとの考えから、悪名高い高利貸しの老婆アリョーナを殺害し、その金を社会のために役立てる計画を立てる。アリョーナから金を借り、その金を貧乏なため娘が娼婦になったと管を巻く酔っ払いのマルメラードフに与えた翌日、かねてからの計画どおりアリョーナを斧で殺害し、さらに金を奪おうとする。しかし、その最中にアリョーナの義妹も入ってきたので、勢いでこれも殺してしまう。

この日からラスコーリニコフは、罪の意識、幻覚、自白の衝動などに苦しむこととなる。翌朝、ラスコーリニコフは、下宿の女中が「警察に出頭せよ」との命令書を持ってきたので慄く。行ってみると借金の返済の督促であったが、刑事達から昨夜の老婆殺しの話を聞いて失神する。様子が変だと思った友人のラズミーヒンが、ラスコーリニコフを訪問してきたところに、母から手紙で知らされていた妹の婚約者のルージンが現れる。成金のルージンを胡散臭く思ったラスコーリニコフは、これを追い出す。そんなとき、ラスコーリニコフは、マルメラードフが馬車に轢かれたところに出くわす。介抱の甲斐なく、マルメラードフは死ぬ。マルメラードフの家に金を置いて下宿に戻ると、郷里から母と妹のドゥーニャが来ていた。ラスコーリニコフは、罪の意識のためにその場に倒れる。

母は、息子の無礼にルージンが怒っていることを心配していた。金持ちのルージンが一家の貧窮を救うと期待していたからだ。予審判事のポルフィーリは、ラスコーリニコフが2ヶ月前雑誌に発表した論文の「選ばれた未来の支配者たる者は古い法を乗り越えることができる」というくだりは殺人の肯定であり、あなたはそれを実行したのではないかと探りを入れて来る。なんとかポルフィーリの追及をかわしたラスコーリニコフだが、下宿の前で見知らぬ男から「人殺し」と言われ立ちすくむ。しかし「人殺し」という言葉は幻覚で、見知らぬ男はラスコーリニコフに用があったのだった。

スヴィドリガイロフと名乗ったその男はドゥーニャが目当てで、ルージンとドゥーニャの結婚を一緒につぶそうと持ちかけてくる。ラスコーリニコフはこれを追い返すが、図らずともルージンは自らの恩着せがましさがばれてしまったために、妹の結婚は破談となる。ラスコーリニコフマルメラードフの娘で娼婦であるソーニャのところへ行き、聖書の朗読を頼んだり君と僕は同類だと言って、ソーニャを不安がらせる。そして、再びポルフィーリと対決するが、その横で事件当日そこにいたペンキ屋が、自分が犯人だとわめき出したので、驚きながらも解放される。

ソーニャはマルメラードフの葬式後の会食で、同じアパートに逗留していたルージンの策略により、金銭泥棒に陥れられる。周囲の証言によりルージンの狂言であることがわかるが、ソーニャはその場を飛び出して帰宅しまう。ラスコーリニコフは彼女を追いかけ、ついに彼女の部屋で殺人の罪を告白する。しかし、隣の部屋に居たスヴィドリガイロフが薄い壁を通して会話を聞いていたのだった。

ポルフィーリが三度現れてペンキ屋でなくお前が犯人だと主張し、罪が軽くなるので自首することを勧める。一方、スヴィドリガイロフはラスコーリニコフの犯罪をネタに、ドゥーニャに結婚を迫っていた。ドゥーニャはスヴィドリガイロフのところへと現われるが、結局結婚を拒絶したので、スヴィドリガイロフは有り金を周囲に渡したりおごったりしたあと自殺する。とうとう罪の意識に耐えられなくなったラスコーリニコフは、母に別れを告げる。何か恐ろしいことが起こった事だけを悟る母。ドゥーニャの顔はすべてを知っていた。ラスコーリニコフは自殺を考えていたが、ソーニャの力を借りてついに自首する。

ラスコーリニコフへの罰は、それまでの善行や自首したこと、取り調べの際の態度などを考慮し、シベリア流刑8年という寛刑になる。ラスコーリニコフを追ってソーニャもシベリアに移住し、ラスコーリニコフを見守る。そのことに気づいたラスコーリニコフはソーニャへの愛を確信する。罪と罰 - Wikipedia

主人公のラスコーリニコフってどんな人? 

ロジオン・ロマーヴィチ・ラスコーリニコフ

■役割/主人公。
■年齢/23歳。
■職業/大学の法科を中退。現在は無職。
■性格/孤独で、狂信的な夢想家。臆病で神経質。人間嫌悪。
■目的/何か陰謀を企んでいるらしい(老婆殺人事件)。
■容姿/眼はきれいに澄んでいる。髪は栗色。おどろくほどの美青年。背は高く、やせぎみで、均斉がとれている。
■癖/独り言を言う。

ドストエフスキー「罪と罰」入門。その登場人物たち。 | 美しい言葉辞典

 3 京都アニメ放火殺人事件の犯人はどんな人物か?

bunshun.jp

捜査関係者によると「青葉容疑者は、所持していた免許証からさいたま市在住の無職41歳だと判明。これまで埼玉県や茨城県で、職も家も転々としてきた」という。

「埼玉県内の中学校を卒業後、同県内の高校の夜間部に通いながら、県の非常勤職員として勤務していました。その後は人材派遣会社に登録をしたり、茨城県内の郵便局に勤務したりしていた記録が残っている」(同前)

 郵便局での勤務を始めたのは2009年。その3年後、青葉容疑者はある事件を起こす。

コンビニ強盗で逮捕され不可解な供述
「2012年6月20日未明、当時34歳だった青葉容疑者は茨城県内のコンビニエンスストアに包丁を持って押し入り、男性店員から現金を奪って逃げた。その後同日11時頃に警察署に自首したため、強盗と銃刀法違反で逮捕されました。自首した理由について『オウム事件の高橋容疑者のように逃げられないと思った』などと不可解な供述をしています。当時は茨城県内の雇用促進住宅の3DKに住んでいました」(同前) 

青葉容疑者は服役後、さいたま市の保護観察施設に入寮。刑務所を出所した際に帰る場所がない人が最大半年間入れる施設で、宿泊代や食費の実費負担はない。

「2016年7月頃には退寮し、その後はさいたま市のアパートに居を移しました。2018年頃から住民との間でたびたび騒音トラブルを起こしていて、複数回通報もあった。今月14日には20代の隣人男性の部屋のドアを執拗に叩くなどしている。その後も部屋のドアを叩かれたため男性が苦情を言いに青葉容疑者の部屋を訪れたところ、胸ぐらをつかまれた。男性は近くの交番に通報しています」(同前)“京アニ放火殺人”青葉真司容疑者(41)は「職も家も転々と…」「コンビニ強盗の前科持ち」 | 文春オンライン

4 不可解な動機とずさんな計画 

 「罪と罰」との類似点は、事実の詳細ではありません。

不遇な人間が、自分の頭の中で作り上げた妄想により、一人でテロを企てるという構図が同じなのです。アメリカは日本に先行して、この手の事件が頻発していますね。銃社会というのも一因ですが。

犯人の心の中では、立派な"正しい"理論が存在し、想像上では完璧な計画が練り上げられています。しかし、凶行を現実に実行する際には、取り乱しお粗末な結果を招来してしまうのです。

ラスコーリニコフは凶行に及ぶ前から、ノイローゼ状態となって平静さを完全に失っていきます。

■ ラスコーリニコフの13日間
ここでは、作品の中心となる13日間を追っていきましょう。
13日間と言っても、私は10~12日目があいまいで詳しく読みきれなかったので、 江川卓著・謎とき『罪と罰』 (新潮選書)の13日間の解説を参考に作りました。
7月のはじめのある酷暑の日…
1日目

夕暮れ近く
19:00 過ぎ
23:00
家の門から七百三十歩の大きな建物の四階(老婆の部屋)へ
金貸しの老婆のところへ … 金時計を質に入れる
居酒屋へ行き、マルメラードフと会う
マルメラードフを家へ送る ~ 自分の家へ
2日目


9:00過ぎ ナスターシヤ(料理女)に起こされる
母からの手紙を読む
(ラズミーヒンの住んでいる)ワシーリエフスキー島の方へ
15,6歳の酔っ払っている少女に会う
安食堂風の飲食店へ行き、ピローグとウォッカをたのむ
ペトロフスキー島の草の上で寝込み、子供の頃に見た鞭打たれて殺される馬の夢を見る。
~T橋のほうへ
21:00頃 センナヤ広場で金貸しの老婆の妹リザヴェータが明日19:00に出かけることを偶然知る
家へ ~ 熱病のようなふるえと悪寒
3日目


10:00 ナスターシヤが茶とパンをはこぶ(長いすに眠っている)
14:00 ナスターシヤ、スープをはこぶ(長いすに眠っている~オアシスのところにいる夢)
18:00 外套の内側に輪を縫い付ける
19:30 金貸しの老婆の家に行き、老婆、妹のリザヴェーダを殺害。 お薦め! 第一部7
19:45 老婆の家の戸をコッホ、ペストリャコフがたたく
~家へ
20:00過ぎ ペンキ職人のミコライが、道ばたで拾った金の耳輪と宝石類の入った箱を抵当に居酒屋のドゥシキンに金を借りる
4日目


2:00過ぎ 熱病と悪寒に襲われる
盗んできた財布や品物、血の痕がこびりついたズボンのほころび等隠す お薦め! 第二部1
10:00過ぎ ナスターシヤ部屋に
10:45 庭番が警察からの指し紙を渡す
11:00過ぎ 警察署四階。署長に借用証書の話をする(気を失う)
~家へ戻る

6時間位 盗んできた品8品を粗石の下に隠す
ワシーリエフスキー島のラズミーヒン(五階)の所へ
ニコラエフスキー橋の上で馬にひっかけられそうになり、御者に鞭で殴られる
~ネワ河のほうへ
↓ ~家へ戻る(寝る)
副署長が下宿のおかみを殴っている音で目が覚める
ナスターシヤ、パン・スープの皿をはこぶ
―― 気を失う
5日目


朝 居酒屋ドゥシキンが警察にミコライの件を言いに出頭
ラズミーヒン、ラスコーリニコフの家を探し出す。
事務所のアレクセイ・セミョーノヴィチが訪ねる
事務官ザミョートフ来る。
6日目


ペンキ職人ミコライ・ミトレイ逮捕される
スヴィドリガイロフ、ペテルブルグに着く
ポルフィーリイ、ラスコーリニコフの部屋を家宅捜査をする
7日目


10:00頃 目が覚めるとナスターシヤ、ラズミーヒンがいる。
協同組合の事務所の者よりアファナーシイ・イワーノヴィチ・ワフルーシンからの35ルーブリ受け取る。
11:00過ぎ 再び眠りにつく。ラズミーヒン、外へ。
18:00 ラズミーヒン、服や靴を買って戻ってくる
ゾーシモフくる ~ ラズミーヒンが今日の引っ越し祝いに2人を招待する
ルージンくる
皆が帰り、服を着替える
20:00 水晶宮で、老婆殺しについての新聞記事を探す
~ 酒場で事務官ザミョートフに会う
酒場を出る時にラズミーヒンとすれ違う
21:00過ぎ N橋で女(アフロシーニュシカ)の身投げを目撃(命に別状なし)
警察に自首しに行こうとするが、金貸しの老婆の家に行く
マルメラードフが馬に轢かれ、家に運ぶ
ソーニャが駆けつける
マルメラードフの家の出口で署長に会う
22:00 先程女が身投げしたN橋へ
ポンチコフのラズミーヒンの家へ
家に戻る(ラズミーヒンが送る)~母と妹が待っている
―― 気を失う
ゾーシモフが来る
8日目


7:00 ラズミーヒン目を覚ます
9:00 ラズミーヒン、バカレーエフの下宿へプリヘーリヤ・アレクサンドロヴナとドゥーニャを訪ねる
~朝ドゥーニャに届いた手紙の話をする
10:00 ラズミーヒン、プリヘーリヤ・アレクサンドロヴナとドゥーニャ、ラスコーリニコフの家へ
ゾーシモフくる
12:00 ソーニャくる
ラズミーヒンとポルフィーリイの住居へ(事務官ザミョートフもいる)
ラスコーリニコフ vs ポルフィーリイ1度目の対決 お薦め! 第三部 5
ラスコーリニコフ
家へ~謎の男に会う
老婆のアパートに行く夢を見る
スヴィドリガイロフがくる
~妻マルファの幽霊の話 《 ラズミーヒン 》
バカレーエフのドゥーニャたちの下宿へ
ラスコーリニコフの家へ
ポルフィーリイの家へ行き、プルフィーリイを殴る
ラスコーリニコフの家へ
~出口でスヴィドリガイロフと会う
20:00 ラズミーヒンとバカレーエフのドゥーニャたちの下宿先へ~ルージンと会う
ルージンとドゥーニャが決裂
プリヘーリヤ・アレクサンドロヴナとドゥーニャに別れを言う
ラズミーヒンに老婆殺害をほのめかす
23:00 カペルナウモフのソーニャのアパートへ
~人類すべての苦悩に頭を下げる ※お薦め!第四部4
ソーニャにラザロの復活(ヨハネによる福音書第十一章)を朗読してもらう
(スヴィドリガイロフ、これを盗み聞き)
家へ戻る
ソーニャ、色々な夢を見る
9日目


11:00 警察署の捜査課に行き、ポルフィーリイに会う
ラスコーリニコフ vs ポルフィーリイ2度目の対決 ※お薦め!第四部5
ニコライ(ミコライ)が自白をする
家へ~昨日の謎の男が謝りに来る
マルメラードフの家へ(法事)
~ルージン、ソーニャに10ルーブリの件で因縁をつける ⇒ ルージン出ていく
~カテリーナ、家を追い出される
ソーニャのアパートへ ~ リザヴェーダ殺害の犯人を言う ※お薦め!第五部4
(スヴィドリガイロフ、これを盗み聞き)
ソーニャのアパートへレベジャートニコフが来てカテリーナの発狂を伝える
家へ~ドゥーニャが来る(ラズミーヒンの話をする)
レベジャートニコフとカテリーナのところへ行き、ソーニャのアパートに運ぶ
~カテリーナ亡くなる
ソーニャのアパートでスヴィドリガイロフに会う
10日目


ソーニャのアパートでスヴィドリガイロフと2回会う
11日目


カテリーナの供養
プリヘーリヤ・アレクサンドロヴナ(母)の病気がひどくなる
ポルフィーリイ立ち寄るが、ラスコーリニコフ不在
12日目


明け方 クレフスキー島の茂みの中で目を覚ます
カテリーナの葬式(参列せず)
ラズミーヒン、プリヘーリヤ・アレクサンドロヴナ、ドゥーニャが訪ねるがラスコーリニコフ不在
14:00 ナスターシヤが食べ物を運んでくる
ラズミーヒン来る~ドゥーニャにきた手紙の話をする
ポルフィーリイがくる 『自首してください』
ラスコーリニコフ vs ポルフィーリイ3度目の対決 ※お薦め!第六部2
スヴィドリガイロフを居酒屋で見つける
二人でスヴィドリガイロフのアパート(ソーニャのアパート)へ~ソーニャいない
ラスコーリニコフ
一晩中、雨にうたれる 《 ドゥーニャ 》
スヴィドリガイロフの家へ~拳銃で撃つ
ラスコーリニコフの家へ
22:00頃 《 スヴィドリガイロフ 》
居酒屋等で飲み歩き、遊園地へ
滝のような夕立に~家へ戻る
ソーニャの部屋へ行き、三千ルーブリと領収証を渡す
13:20 ワシーリエフスキー島の許婚のところへ行き、一万五千ルーブルを渡す
13日目


2:00近く N橋を渡る(雨はやむ)
アドリアノポールという宿屋へ
風が吹きつけ、警報が鳴る
3:00 5歳くらいの少女の夢を見る
S通り近くの高い望楼のある家で自殺
18:00 《 ラスコーリニコフ
バカレーエフのアパートに行く~ドゥーニャいない
家へ戻る~ドゥーニャが待っている
ドゥーニャに元許婚(死んだ下宿の娘)の肖像を渡す 《 ドゥーニャ 》
一日中ソーニャの部屋にいる
ラスコーリニコフの部屋に行く
暗くなりかけた頃 ソーニャの部屋へ行き、十字架をもらう
センナヤ広場で地面に接吻する
警察署の(三階)火薬中尉のところへ~ザミョートフ転勤
スヴィドリガイロフの自殺を知る
一度帰ろうとするが、自白する


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1年半後のエピローグ
罪と罰」 は 十二章+エピローグ で構成されています。ラスコーリニコフが老婆殺しを自白するまでが十二章。エピローグは1年半後のシベリアの監獄にいる流刑囚ラスコーリニコフの話。

この最後のエピソード部分がとても大事なんだよね。「エピソードを読まずして罪と罰は語れない」 と言っても言い過ぎではない位。たとえて言うなら、アメリカのTVドラマ 「24」 の全てが明らかになってまるく納まる最後の1時間に当たる部分がこのエピソードかな (笑) これ抜きでは作品を読む意味が無い。

というのも、ラスコーリニコフはシベリアに行っても 「自分の思想はどこもおかしなものには思えない」 とまだ考えているのです。自白はしても、監獄に入っても、反省はしていない。そんな彼が精神的に生まれ変わるまでがエピソードには記されています。

… そして、ラスコーリニコフの妹ドゥーニャとラズミーヒンの恋の結末も。

ぜひ、最後まで楽しんで読んでね! 

ラスコーリニコフの13日間

5 人を殺してはいけないことの論証

この「罪と罰」は、殺人が悪いことであることを完全に論証しています。

哲学小説の側面と、犯罪小説の側面を併せ持った、傑作なんですよ。

しかも、自らの不遇による葛藤から、鬱憤晴らしの無差別テロが発生し始める、資本主義末期への警告的予言の書でもあります。

組織的革命思想に憑りつかれた、社会革命テロとは一線を画す、現代の病巣の一端でもあるのです。

人間は理性的な生き物ではなく、感情の生き物であるがゆえに、理性による革命も完全犯罪も画餅に帰すというのが、ドストエフスキーの文学的才能によって描き出されています。

今後、青葉容疑者が回復すれば、詳細な経緯が明らかになっていくでしょう。

しかし、この「ラスコーリニコフ型」犯罪テロは、今後も増えていくというのがドストエフスキーの予言です。この問題を解決できると信じて、行動し始める理論家や扇動者が現れて来た時が、社会的動乱の時期に当たります。

日本は1960年代~70年代初期に経験済みですが、それもまた対極にある妄想なのです。その答えを模索したのが、

らの後期作品群なのです。

ぜひ手に取ってお読みください。

小説を読むだけで賢くなれるのは、ドストエフスキーだけですから。

読了したら、亀山さんのそうか、君はカラマーゾフを読んだのか。 仕事も人生も成功するドストエフスキー66のメッセージも読んでみてください。

ドストエフスキーの活学が学べるでしょう。