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進撃の巨人は、観る者を哲学に誘う

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果てしない物語に結末が近づく

昨日、今日と休日だった。

Amazonプライムビデオで無料動画を観るのが、最近の趣味になってしまった。

最近観た中で、ハマったのは、『dele(ディーリー)』『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』「転生したらスライムだった件」、そして『進撃の巨人』だ。

どんだけ。

そう、ずっと、テレビ観てますわ。

進撃の巨人』は初期の頃と、最近放送されている分しか観てないんだけど、世界観が凄すぎて圧倒されてるんだよね。

特に今、放送中のオープニングなんて、第二次大戦末期そのもの。

原爆の実験みたいなシーンの意味はなんなのか。

伏線は回収されるのだろうか。

ワクワクさせられる。

単純に考えれば、マーレがナチスドイツで、エルディアがユダヤなんだけど、そう単純な話でもないようだ。

あらすじや考察は、下記のまとめ記事を参考にして欲しい。

bibi-star.jp

animemiru.jp

mag.comee.net

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で、第二次世界大戦において、ドイツの青年を奮い立たせた哲学書ハイデガーの「存在と時間」という本がある。

この本の目的は、世界とは何か?なぜ、何もないのではなく、このような世界が存在するのか?人は遅かれ早かれ死んでしまうが、そこに何の意味があるのか?

そんな中二病的な疑問を真っ向から解こうとした本なのだ。

しかし、ハイデガーは神やあの世を語らずに、存在の意味を語ることは不可能だと悟り、断筆してしまう。未完の大著として、20世紀最大の哲学書に君臨しているのだ。

人間は科学を発展させるにつれて、形而上学的な問題を無用なものとして、人生の片隅に追いやってしまったのだが、見て見ぬふりで済ませられる問題ではない。

本当なら、金儲けや出世などよりも、もっと切実な問題なのだが、日常的にはなくても差し障りはない。

この死生観にかかわることの意味を、恥ずかしげもなく高らかに宣言したのが、「存在と時間」だった。

進撃の巨人』の中では、大勢の人が死ぬ。いじめもある。そして、民族浄化を目的とした戦争がある。

敵も味方も同じ「世界=内=存在」としての「現存在」であるにもかかわらず。

本来的な生を生きることを忘れ、非本来性の中に頽落したまま、愛する人の無残な死を目の当たりにするとき、本来性に目覚め自己の全存在を戦闘に没入させる。

被投企的存在(いきなり、この世に生み出され、生きることを強制される人間の生)が、投企的存在(自分で可能性をつかみ取り、積極的に生きる人生)になることが、人生の意味であり目的であるとするなら、立体機動装置で宙を舞い、巨人に生身で挑みかかるエルディア人青年の姿こそが、わが身を投げ企てる者の象徴であろうか。

今後『進撃の巨人』では、神話的なストーリーが語られようだが、それは、ハイデガーが語ることを敬遠した、超越論的な存在が人の世に関与していることの隠喩だろう。

現存在(人間)があることによって〈時間〉の流れが生じ(時間化)、その時間をいかに生きるかに応じて各人なりの特色のある〈世界〉が開けていく。各人それぞれの世界や時間があるのはよいとしても、やはりそれらのすべてを「包含する」というか、それらを「包み込む」ような普遍的な世界や時間もあるはず。

普遍的な世界・普遍的な時間を成立させている根拠として(超越論的な根源)が存在する。

(超越論的な根源)が存在することによって時間が流れ、(超越論的な根源)が存在することによって空間が切り開かれて世界が生まれる。「時間が流れること」「空間が開かれること」と「(超越論的な根源)が存在すること」は同じである。

そこでは多くの現存在(人間)が生きており、各人なりの小時間を過ごし、各人なりの小世界を生きている。現存在と彼らの小世界は神によって根底で支えられているのだ。

(超越論的な根源)を仏と呼ぶか、神(一神教の全一者)と呼ぶか、それは神学上の問題であり、宗派間の教義の問題である。

しかし、進撃の巨人は、漫画・アニメが描く巨大な哲学書になったと言っても過言ではあるまい。

日本が生んだ、漫画・アニメという表現方法は、昭和の頃の子供向け娯楽ではなくなり、分厚い書物でしか語られてこなかった領域に進撃していることは間違いない。

 

存在と時間I (中公クラシックス)

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存在と時間II (中公クラシックス)

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存在と時間III (中公クラシックス)

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