こんな展開になっていたとは。
ユダヤ人問題・ナチスドイツ・ハイデガー・日本民族の過去・ドストエフスキー・ニーチェの永劫回帰・・・
私はアニメを視聴する中で、人類的問題のインスピレーションを受容し続けています。
詳しいことは、下記サイトで確認してほしい。
今から6年前。
そう、父が倒れた年。
TBS系列で視聴していたはず。
それが、いつの間にかNHKに。
第一期のOPがセンセーショナルで。
歌詞も意味深でしたね。
作者は日本人への警告を発しているのか、扇動しているのか?
作者の諫山創 - Wikipediaさんは、もしかして哲学や思想史に造詣が深いのかな?なんて想像してみたりとか。
アニメが描出する世界観は、あまりに広く深くて圧倒されます。
主人公たちが生きている現代は、私たちの生きている現代なのか?そんな想像も膨らんでおります。
グダグダになったワンピースを超える、国民的アニメに成長しましたね。
エレンのオヤジの記憶の中で、オヤジの妹を犬に喰わせた事件がありました。
ユダヤ人ゲットーをモチーフにした居留区から、海が見たいという「ただそれだけの」子供らしい衝動に駆られた兄妹を、ナチスみたいなおっさんが見つけ、妹は犬の慰み者に。
このエピソードが私には衝撃的で。。。
エレンのオヤジ(グリシャ)の妹を拉致ったおっさんの風貌が、まるでハイデガー。エレンのオヤジを殺そうとして、最後の会話をしたときに語る「死への先駆」「本来性」の思想。ま、このナチみたいなおっさんは、「フクロウ」に突き落とされて、無垢の巨人に喰われますけどね。
エレンのオヤジの妹が犬に喰われるエピソードは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に出てくる、エピソードを彷彿させます。
子どもについてのネタは、ほかにもたくさんあるんだ。おれは、ロシアの子どもたちに関するネタをものすごく集めているのさ、アリョーシャ。
5歳になる小さな女の子が、父親と母親に憎まれる話もある。二人とも『教育もあり教養もある人たちで、父親はじつに尊敬すべきお役人さん』だぞ。いいか、おれはもう一度はっきり断言するけど、人間の多くがある特別な性質を持っている、それは、子どもの虐待を好むという性質なんだが、それも相手は子どもに限るんだよ。当の虐待者たちっていうのは、他のすべての人間に対しては、教育のある人道的な西欧人みたいな顔して好意的で優しい態度をとるんだが、子どもを苦しめるのが無性に好きときている。その意味では、子どもそのものを愛しているとも言えるのさ。
この場合、迫害者の心をかきたてるのは、なんといっても子どもという存在のもつ無防備さだし、どこにも逃げ場がない、誰にも頼れない子どもの天使みたいな信じやすさだ。そいつがまさに、虐待者の呪われた血を熱くする正体というわけさ。
むろん、どんな人間にだって、ケダモノが潜んでいるよ。怒りっぽいケダモノ、虐待されている生贄たちの絶叫に好色なほてりを感じるケダモノ、鎖から放たれ抑えが利かなくなっているケダモノ、酒や女におぼれ、痛風だの肝臓病だのいろんな病気を抱えこんだケダモノ、ほかにもいろいろあるさ。
そんなわけで、この5歳になるかわいそうな女の子を、教育ある両親がありとあらゆる虐待にさらすんだ。自分でもなぜかわからず、なぐったり、鞭うったり、足でけったりして、全身を痣だらけにしてしまう。そうしてその仕打ちも、しまいにはもうこれ以上ないぐらいの洗練の域に達してしまうんだよ。
寒波のさなか、女の子はひと晩じゅう、トイレの中に閉じ込められてしまった。それも、その子が夜、うんちを知らせなかったという、それだけの理由さ(天使みたいにすやすや眠っている5歳の子を相手に、この年ならもう便意を知らせる習慣が身についていていいと言わんばかりだ)。で、その罰として、女の子は、顔中にうんちを塗りたくられたり、そのうんちを食べさせられたりするんだが、それをするのが母親なんだぞ。
生みの母親がそうさせるんだ!この母親は、トイレに閉じ込められたあわれな子どもの泣き声が夜っぴて聞こえているのに、平気で寝てられるっていうんだから。
おまえにこの意味がわかるか? 自分がいまどうなっているかろくにまだ判断できずにいる幼い子どもが、暗くて寒いトイレのなかで、苦しみでわれんばかりの胸をそのちっちゃなこぶしで叩いたり、目をまっかにさせ、だれも恨むでもなくおとなしく涙をながしながら、自分を守ってくださいと『神ちゃま』にお祈りしている。おまえにこんな馬鹿げた話が理解できるか。おまえは、言ってみりゃおれの友だちだし、弟だ。そして、神につかえる従順な見習い僧でもあるわけだが、そういうおまえに、こんな馬鹿げた話が、なんのために必要なのか、創られているか、なんてことが理解できるのか!
もっとも、こういうばかげた話がないと、地上の人間はどうしても生きていかれない、なぜって善悪の認識ができなくなるから、などとほざいている連中がいるにはいるがね。じゃあ、これほどまで犠牲を強いるものなら、いったいなんのために、このくそいまいましい善悪など認識しなきゃならないだ?
そうさ、認識の世界なんか、ぜんぶひとつにまとめたって、さっきの子どもが『神ちゃま』に向って流した涙の一滴にも値しない。おれは、大人の涙の話なんかする気は、さらさらないさ。やつらはもうリンゴを食べてしまったんだから、どうとでもご勝手にするさ。大人なんてまるごと悪魔に食われちまうがいいんだよ。でもな、この子どもたちだけは、この子どもたちだけは!アリョーシャ、どうやらおれはお前を苦しめているみたいだな、まるで生きた心地がしないって顔しているぞ。いやなら、やめるよ」
「だいじょうぶ。ぼくも苦しみたいんです」
「じゃあ、もうひとつ、最後にもうひとつだけネタを紹介してやろう。たんに好奇心でしゃべるだけだが、これがじつにうってつけのネタなのさ。『古文書』だったか、いや、『古代史』かな、そこんところは調べなくちゃならないし、どこで読んだかも忘れてしまったが、要するに古い文書を集めた本でつい最近読んだんだよ。まだ今世紀初めの、陰惨極まる農奴制時代の話だ。こうなるともう、農奴を解放したアレクサンドル二世、バンザーイだな!
で、当時、つまり今世紀の初め、一人の将軍がいた。いくつも有力な縁故をもち、たいそう金持ちの地主だったが、職を退き、引退生活に入っても、それまでの功績から領民たちの生死の権利はすべて自分があずかったと信じこんでしまう地主の一人(たしかに、すでに当時は非常に少なかったようだがね)だった。そういう地主がその当時もいるにはいたんだ。
ところでその将軍というのが、領地に二千人の農奴をかかえて暮らし、近隣の小地主どもを居候かお抱えの道化ぐらいに見くだし、いばりくさっていた。犬舎には数百匹の犬がいて、百人近い犬番がついているんだが、連中はみな、軍服姿で馬にまたがっているのさ。ところがそこの下男の息子で、まだ8歳にしかならない幼い男の子が、あるとき石投げの遊びをしているときに、将軍お気に入りの猟犬の足にケガをさせてしまった。『どうしてわしの愛犬が足を引きずっている?』じつは、ここにいるこの子が犬に石を投げ、足にケガを負わせたとのことですという報告がなされる。『ほほう、きみがやったのか』将軍は子どもをじろりとにらみ、『こいつをひっ捕らえろ!』と命じる。
こうして男の子は捕えられた。母親の手から奪われて、ひと晩じゅう仕置き部屋に押し込められた。まだ夜が明けそめる前から、将軍は狩猟用の晴れやかな衣装をまとっておでましになり、馬にまたがった。そのまわりには、居候や、犬や、犬番や、勢子が勢ぞろいし、やはり馬に乗って待機している。その周囲には、召使どもが見せしめのために集められ、彼らの一番前に罪をおかした少年の母親がいる。
仕置き小屋から、子どもが連れ出されてくる。陰鬱で、寒い霧がかかった秋の一日で、狩猟にはもってこいだ。で、将軍は子どもの服を脱がせるように命じる。子どもは服を脱がされ、すっぱだかになる。子どもは震え、恐ろしさのせいで正気を失い、うんともすんとも言えないありさまだ・・・・・『追え!』将軍が命令する。『走れ!走れ!』犬番が叫び、子どもは走りだす・・・・・『かかれっ!』将軍が絶叫し、ボルゾイ犬の群れを、子どもにむかって残らず解き放った。母親の見ている前で犬どもをけしかけ、犬どもは子どもをずたずたに食いちぎってしまう・・・・・で、この将軍、その後はどうやら禁治産者扱いになったというんだが、さあどうだ・・・・・こいつをどうすればいい? 銃殺にすべきか? 道義心を満足させるために、銃殺にすべきか? 言ってみろ、アリョーシャ!」
「銃殺にすべきです!」青白い、ゆがんだ笑みを浮かべて、兄を見上げながら、アリョーシャが低い声でつぶやいた。
「やったぜ!」イワンは有頂天になって叫んだ。「おまえがそう言ったってことは、つまり・・・・・やれやれ、たいした苦行僧だよ! ってことは、おまえの心のなかにも、悪魔のヒョコがひそんでるってわけだ、アリョーシャ・カラマーゾフ君!」
「ばかなことを言ってしまいました、でも・・・・・」
「それそれ、その、でも、が問題なんだ」とイワンが叫んだ。「いいか、見習い僧、この世には、そのばかなことがあまりに必要なのさ。世界はこのばかなことのうえに立っているし、もしもこのばかなことがなかったら、世界にはきっと何も起こらないかもしれないんだ。おれたちが知っていることなんて、たかが知れているんだよ!」
「じゃあ、何を知っているんです?」
「おれは何もわからない」イワンは、まるで熱に浮かされたように、話しつづけた。
私もアニメを観ながら、アリョーシャと同じ悪魔の感覚に支配されました。ハイデガー風のナチ野郎が、壁から落とされ4m級の無垢の巨人につかまり、泣き叫んでいるシーンを見て、「いい気味」だと思ってしまったのですから。。。
エレンの記憶が、父親や祖先の記憶とリンクしているというのも、ユングの集団無意識やニーチェの永劫回帰などを連想させます。
進撃の巨人を堪能するためにも、教養を深めなければ・・・
そんな覚悟に囚われている今日この頃なんであります。

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進撃 の 巨人 3 期 パート2 9話 | 進撃 の 巨人 2019
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