世間一般では、他界し亡くなった故人を「成仏」したといいます。しかし、本来仏法から見たとき、間違いであります。「成仏」とは仏に成ることです。「仏(ほとけ)」という意味が世間においていい加減です。間違った解釈が世の中を覆っています。「仏様」をこの世を去られた故人と思っている人が多いことでしょう。
「仏」という本来の意味は、悟りを開かれた方です。悟りとは、迷いや悩みが全くないことをいいます。そして常に幸せな境界にいて、迷いや悩みを抱えた人を救済する人です。世間では本来の意味から相当逸脱して考えられています。
「仏」とは、特別人間からかけ離れた存在ではありません。どのような人でも仏様が説かれた教えを信じ行っていけば「仏」になれます。心に生まれる迷いや悩みの扱いを完璧に心得、その方法を他の人に教えていくことが「仏」です。「成仏」とは悩み多き心の問題を速やかに解決し、生活全般に明るいきざしをもたらすことです。
悩み多き心の問題を解決するには、仏法を学ぶことです。世の中には仏教が沢山ありますが、中には不幸にする教えもあります。特に新興宗教に多いです。人々の宗教や仏教に対する無知を利用し、金儲けのために宗教を開いている間違った宗教があります。宗教は自分の人生を大きく左右するものです。慎重に考えなければいけません。
時代により師匠として教えを請う「仏」が異なり、説かれる教えも異なります。
「仏」が説かれた教えであればどれでも良いというわけにいきません。その中に散在する、教えが説かれる仏典は今の時代に適さないものや、かえって不幸になり地獄に堕ちる教えもあります。仏教を学ぶときはこの点を注意しなければなりません。日蓮正宗ではこの点を考慮して教えを説いています。
「仏」が説かれた仏教は「教えに順序次第」があります。つまり易しい教えから、高度な難しい教えへと移っていきます。仏様の究極な悟りを初めから説いても、仏教を全く知らない人には理解できないためだからです。私達も何かを学ぶ場合や、修得するときには易しい基本から入るものです。この理屈と同じで、仏教にも基本があります。この基本に随って修行するところに悟りを開き「仏」に成れ「成仏」できます。
基本とは御本尊様に御題目を唱えるところにあります。ここに全てがあり、更に上の境界を目指します。今末法時代は、御本尊様に御題目の南無妙法蓮華経を唱えるところに成仏があり、本当の「仏」に成れます。
世の中に散在する「仏」は、ほとんどが過去世に成仏した「仏」です。今の時代では、過去の「仏」を崇めても御利益はありません。それぞれの時代において、尊崇する「仏」があります。今の時代は三大秘法の御本尊様であり、日蓮大聖人を「仏」と拝し奉ることです。日蓮大聖人の仰せになられた御指南を実践するところに最高の境界、即身成仏があります。
『一生成仏抄』に曰わく、
「深く信じて妙法蓮華経と唱へば、一生成仏更に疑ひあるべからず。故に経文には『我が滅度の後に於て応(まさ)に斯(こ)の経を受持すべし。是の人仏道に於て決定して疑ひ有ること無けん』とのべ給へり。努々(ゆめゆめ)不審(ふしん)をなすべからず。穴賢穴賢。一生成仏の信心。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」(御書46)

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