日蓮正宗のススメ

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1186夜:難しそうな本ばかり読んで、何の意味があるのですか?自慢したいんですか?との質問に答えて。

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読書は自己満足なのでしょうか?

質問 あなたのブログは自己満足だと思います。わけのわからない本の紹介はやめて欲しいです。難しそうな本ばかり読んで、何の意味があるのですか?自慢したいんですか?(匿名さん)

皆さん、お読みに来てくださりありがとうございます。
本日は、匿名さんの質問にお答えする形にしたいと思います。

私のブログ運営の意図としましては、信心をしていない人に、日蓮正宗の御授戒を受けて欲しいという願いがあります。
私は末端の一信徒でありますが、日蓮正宗の御宗旨である自行化他を、自分なりの方法で思うままに実践しているのが、ブログに記事を書くというスタイルになっております。
日蓮正宗の御僧侶の法話をご紹介させていただくこともあれば、時事ネタに言及することもありますし、自分の仏法に対する考えを披露することもあります。

ブログは日記帳、雑記帳の性格を持つものですので、自然と私自身になってきてしまうということでしょう。敬愛する思想家モンテーニュの「エセー」がお手本でもあります。

その中には、自分が読んだ本の紹介記事もあります。
哲学・思想・文学・歴史など、私の読んだ本の紹介をしています。
自慢をしているわけではありません(笑)。
できれば、自分が感銘を受けた本を読者の方にも読んでいただきたい、可能ならば感想なども聴かせていただきたいという思いがあります。

読書というのは趣味の領域ですので、読書習慣のない人にはスノッブ*1だと誤解されるかもしれません。
しかし、あくまでも趣味なのです。
そして、このブログを書く習慣も趣味もしくは、ライフワーク的な存在になっています。

質問者さんの意図はおそらく、プラグマティックな考えからの御批判だと思います。受験勉強でもない限り、本なんか読んだって何の意味もないとお思いでしょう。見識を身につけても、権力がなければ何もできないじゃないか?そういうお考えかもしれません。

それも一理あると思います。
ですから、読みたくければ読まなくていいと思います。
ですが、見識を身につければものの見方が変わり、教養となって御自身の日常が一変することになるのです。

今日はその一例として、御質問者さまに即効性のあるお話をさせていただきたいと思います。
今、原油が高騰しスタグフレーション*2が発生しています。ロシアによるウクライナ侵攻と、国際社会のロシアへの経済封鎖により、原油高はますます進行していくでしょう。

この世界情勢を生きていくうえで、人間として知っておかなければならないことがあります。
歴史の意味です。
私たちは現在進行形の歴史の中に生きていますからね。
歴史の意味を問うのが、歴史哲学という分野になるのです。
史観学と呼んでもいいでしょう。

その古典が

です。
未来へ向かって生きる存在、それを人間と呼ぶのなら、歴史を通じて過去との対話をすることは避けて通ることができません。

そして、次に読むべきが

です。
第二次大戦と言えば、日米戦争を思い起こすのが日本人ですが、主戦場は対ナチスドイツ戦だったのです。
今、問題になっているロシアがソビエト連邦と呼ばれた時代。
同じ独裁主義、全体主義の二代国家が価値観戦争を繰り広げました。
ナチズム(進化論的人間至上主義)とマルキシズム社会主義的人間至上主義)の、イデオロギー戦争でした。NATOとロシアのにらみ合いの構図に似ています。
ちなみに、NATOの価値観は自由主義的人間至上主義です。

いずれも人間中心主義の思想で、ヒューマニズムの派生形思想です。
日本ではヒューマニズムっていいように聞こえますが、間違った思想なんです。

そういった価値観変動の時代に、個人がどのように向き合うべきか。
それを学ぶのに最適なテキストがドストエフスキーの三部作なんですよ。

これもロシアが舞台です。
ロシアの幕末期の人間葛藤劇。
日本で人気なのは、ロシア人が直面した問題が、日本人が直面した問題に酷似しているからです。
動乱の時代こそ、読書によって生きる活力を得てください。
この三部作を読み込めば、人生の全ての問題が見えてくるでしょう。
世界というものは、個々人が集まって形成しているのです。
人間を理解することが世界を理解することになるのです。

知識や知恵によって活力を得ること。
これはなかなか楽しい趣味と言えます。

*1:一般に俗物、またスノビズム(snobbism)は俗物根性と訳される。多くの場合「知識・教養をひけらかす見栄張りの気取り屋」「上位の者に取り入り、下の者を見下す嫌味な人物」「紳士気取りの俗物」といった意味で使われる。

*2:景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。 この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。