悪霊(上)(下) (新潮文庫) 文庫 – 2004/12 ドストエフスキー (著), 江川 卓 (翻訳) 読了
少し前に読み終わったんだけど。
読後感は圧倒的の一言。
19歳の時に大学の教授に紹介されてから、通読できるのに28年もの歳月が必要でした。
五十路の坂が見え始めて、やっと自分のものになった気がする。
じゃぁ逆になんで今までは読むことが出来なかったのか?
人生経験が足りなかったんだと思う。
いや、違うな。
人生経験なんて安っぽいものじゃない。
人生の熟し方が足りなかった。
未熟だったんだよ。
いくつになっても坊やだったのさ。
俺はステパン氏だ。
俺はピョートルだ。
そして、少しだけスタヴローギンだ。
自分にないものは読めない。
哲学小説なんてそういうものだと思う。
でも、確実にもう一度読むだろうと思う。
死ぬまでに読みたいと思っていたのが叶った今、死ぬまでにもう一度読みたいと思う。
次は亀山訳で読んでみたい。
ドストエフスキーを勧めてくれた大学教授とは、中央大学教授だった木田元先生である。
先生も人間魚雷回天 - Wikipediaの乗組員となるべく、日本海軍江田島兵学校で、特攻訓練を受けていた。
つまり死刑帰りである。
人生の特異点から復帰した木田先生は、人生の意味を知りたくて哲学者になった。
哲学は、書く人の人生の反照なのかもしれない。
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