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1112夜:言語が本尊であることの深い道理とは?

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人類の誕生は7万年前の認知革命から

今日のお話は厳密な教学のお話ではありません。
なぜ大聖人様が御本尊様を文字で顕されたのか?
その正統教学を学びたい方は、三大秘法義弁惑観心抄をお読みください。
さて、本題。
皆様は、銃・病原菌・鉄 上下巻セットサピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福をお読みになられたことはあるでしょうか?
世界的大ベストセラーですので、書名はご存知かもしれません。
ほんとにざっくりと要約させてもらうと、前者は現生人類(ホモ・サピエンス)間の格差発生の理由について論じた本で、後者は他人類と現生人類を分けた根本原因について論じた本です。
「銃・病原菌・鉄」では白人優位社会になったことがテーマ。ユーラシア大陸が東西に長かったために、小麦や家畜を移殖しながら活動範囲を広げることが出来たから。カエサルアレクサンダー大王がいなくても、結果的にそうなるだろうと結論付けているのが面白い本です。
「サピエンス全史」では、アウストラロピテクスジャワ原人ネアンデルタール人ホモ・サピエンスと、系統的に進化したのではなく、地球上に諸種混在した人類種のなかで、私たちの祖先サピエンス種が唯一種として生き残ったと主張。その理由が7万年前に起こったと推量される、認知革命による言語構造の変化だったのだとか。

で、今日のテーマは「サピエンス全史」の主張する、7万年前の認知革命(言語革命)について考察しようということです。
ここにも7の符合が。。
人間の進化にも7が関わってくることに、不思議な因縁を感じてしまうですが。
7万年前に何が起こったのか?
「サピエンス全史」の著者、世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、遺伝子の突然変異によってホモ・サピエンスの脳内で、複雑かつ柔軟な言語能力が発生たのではないかと。。

複雑かつ柔軟とはなんでしょうか?
例えば、ハラリ氏は多くの動物で単純言語が存在することを認めています。
アフリカのサルには、単語を持つ種がいて「ライオンが来た」「ワシが飛んでいるよ」などを、音声表現で使い分け仲間に伝えることが出来るのだそうです。
それは実証研究で証明されていて、彼らの叫び声を録音してその群れに向かい、スピーカーで「ライオンが来た」を流すと、群れのサルは身を低くし周囲を警戒し木に登ったと。また、「ワシが飛んでいるよ」を流すと、群れは一斉に上の方を向き、猛禽類から身を隠そうとしたそうです。
単純言語は、他の動物にも存在していることが確認されており、イルカなどはかなり複雑な会話をしていることが分かっているようです。
でも、彼らの言語がどのように発達しようとも、「さっき川の上流で熊の親子を見かけたから気を付けようね」という、我々からすればなんでもない会話ができないのだそうです。
つまり、非実在について語る言語能力が具わっていないということです。
「川」「熊の親子」は表現できても、「さっき」(過去)や「気を付ける」(未来)などは、大脳の構造上認知できないと。。。
それは、人類種で最も繁栄したネアンデルタール人でさえも、持ち得なかった能力だそうです。
ネアンデルタール人の遺跡からは、障碍を持つ仲間を介護していた痕跡が見つかっているそうで、体力・智慧・人格では非常に優れた人々だったとか。
認知革命以前のホモ・サピエンスが、ネアンデルタール人の住む地域に移住しようとして、失敗した痕跡も見つかっているとかで、人類種のなかでサピエンス種は劣等種だったわけです。
それが、7万年前から大規模な集団移動を始めているのだとか。
そして、瞬く間に他人類種を絶滅させながら、地球全土を覆いつくしてしまったと。
その大きな言語機能が、虚構言語の獲得であったと、ハラリ博士は推測しています。

私的に会通させてもらえば、「空(くう)」の理を悟ったということではないかと。
国家・会社・通貨・名誉など、私たちの生活を支えている多くの物事には実体がなく、共同幻想に支えられて力を引き出しているものがあります。
そういった実際には存在しないんだけど、みんなで信じるから成り立つ存在が手に入ったという、この不可思議な現象がホモ・サピエンス独裁の根本原因であるのだとか。
単純言語でも噂話はできますが、150人程度のチームワークしか維持できないそうで、この人数を超えるチームは崩壊してしまうという。なぜなら、直接知っている人を頼って動くためには、150人がギリギリなのだとか。
虚構言語を手に入れた人々は、1000人の集団であろうとも、その集団が自分のチームであると認識できる。顔を知らなくても、傑出した人間をリーダーだと認めることが出来、その指示に従うことが出来る。これは大きな差です。
ハラリ博士は面白い喩えで「ホモ・サピエンスには死後の名誉や、あの世の快楽を餌に戦闘させることはできるが、サルにあの世のバナナを餌に死地へと飛び込ませることはできない」と、表現しています。
うまい喩えですね。
虚構言語の獲得は、宗教の誕生を示唆しています。
そう、言語はサピエンスの母なのです。
聖書には「始めに言葉ありき」とあります。新約聖書中の「ヨハネによる福音書」の冒頭の記述です。新約というのがみそで、新約には法華経流入しています。いわゆる西伝です。
日蓮正宗の御本尊様は、文字で顕されています。
僕は創価2世なので、それが当たり前に思っていました。
でも、世間では非常に珍しい御本尊様です。
大抵は人に似た神仏の姿を絵や像に顕していますね。
御本仏の御悟りが言語で表現される理由、それは7万年の時を経て熟成された人類智の結晶であるからでしょう。

此の釈の意は、至理は名無し、聖人理を観じて万物に名を付くる時、因果倶時・不思議の一法之有り。之を名づけて妙法蓮華と為す。此の妙法蓮華の一法に十界三千の諸法を具足して欠減無し。之を修行する者は仏因仏果同時に之を得るなり。聖人此の法を師と為して修行覚道したまへば、妙因妙果倶時に感得し給ふ。故に妙覚果満の如来と成り給ふなり。(当体義抄695㌻)

なるほど!
ってなりますよね。