エセー Les Essais

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1095夜:イチケイのカラスを後追い視聴して思うこと

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社会派ロマンは胸打たれます

前期クールの取りだめ視聴。
一気に6話まで観ました。
草刈民代さん演じる日高さんが退官しました。
皆さんも学校で三権分立は習いましたよね。
司法・行政・立法。。
立法府の議員の汚職、行政府の警察官・検察官の組織的陰謀。。。
そんなドラマや事件は、馴れっこになってました。
娑婆世界ですからね。
末法ですし。
裁判官の世界は新鮮でした。
ドラマがどこまで真相に肉薄しているのかは分かりません。
それでも、型破りな入間みちお(竹野内豊さん)の職権発動に胸躍り、警察・検察の不見当に怒りを覚え、最後に涙と胸透くような快感。
やっぱ、おいらはロマンティストなのかも。
広宣流布男のロマン
懐かしいなぁ。

五濁悪世*1とはよく言ったものだ。
裁判官も激務や組織的な忖度で、公正な審理から遠ざかることもあり得るのか?そんな疑念を抱かされました。
逆に、いかに多くの人が名聞名利の風に吹かれて、真実や正義から目を背けて生きていることか。
当たり前と感じるようになってしまえば、大聖人様の弟子の端くれから落っこっちゃいますね。

噫、過ぎにし方の程なきを以て知んぬ、我等が命今幾程もなき事を。春の朝に花をながめし時、ともなひ遊びし人は、花と共に無常の嵐に散りはてゝ、名のみ残りて其の人はなし。花は散りぬといへども又こん春も発くべし。されども消えにし人は亦いかならん世にか来たるべき。秋の暮れに月を詠めし時、戯れむつびし人も、月と共に有為の雲に入りて後、面影ばかり身にそひて物いふことなし。月は西山に入るといへども亦こん秋も詠むべし。然れどもかくれし人は今いづくにか住みぬらん、おぼつかなし。無常の虎のなく音は耳にちかづくといへども聞いて驚くことなし。屠所の羊は今幾日か無常の道を歩みなん。雪山の寒苦鳥は寒苦にせめられて、夜明けなば栖つくらんと鳴くといへども、日出でぬれば朝日のあたゝかなるに眠り忘れて、又栖をつくらずして一生虚しく鳴くことをう。一切衆生も亦復是くの如し。地獄に堕ちて炎にむせぶ時は、願はくは今度人間に生まれて諸事を閣いて三宝を供養し、後世菩提をたすからんと願へども、たまたま人間に来たる時は、名聞名利の風はげしく、仏道修行の灯は消えやすし。無益の事には財宝をつくすにおしからず。(新池御書1457㌻)

大聖人様の御金言が身に沁みます。
竹野内豊さんは、いい役者さんなりましたね。
役者さんは演者ですから、テレビで観る姿や言動は当人自身の姿ではないのでしょう。
それでも、十如是の道理から観れば俳優さんの心法妙の顕れです。
感応道交してくる何かがあるのでしょう。
他の出演者さんも皆、いい味を出す方ばかりです。

「相惜顔面」という言葉を御存じでしょうか?
昔、山本七平さんという元日本兵の著述家が居られました。
若い方はピンとこないでしょうが、日本論の重鎮でベストセラー作家でもありました。

貞観政要の解説書として、最も長く読まれてきた本を書いた方でもあります。
また、「空気」の研究 (文春文庫)日本人とユダヤ人 (角川文庫 白 207-1)も有名です。 

日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)を読んだときは、涙が止まりませんでした。
現在の日本の国とちっとも変ってないんですもの。
民族的宿業とでも呼ぶべき、私たちの弱点を突き付け続けた彼の思いは、日本国民に届いたのでしょうか?
熱海市の土石流災害も人災である可能性が指摘されています。


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盛り土が産業廃棄物で形成されていたとか。
是正勧告を無視していたとか。
悪を為した当人は責任を問われて当然ですが、すぐにそんな話が出てくるってことは、知ってて黙っていた人間が大勢いたってことです。

人の意見は一致しないのが普通である。そこでその是非を互いに論じ合うのは、本来、公事のためのはずである。ところがある者は自分の足らないところを隠し、その誤りを聞くのを嫌い、自分の意見に対してその論ずるものがあれば自分を恨んでいると思う。これに対してある者は恨まれて私的な不和を生ずる事を避け、また「相惜顔面」すなわち互いに相手の面子を潰しては気の毒だと思って、明らかに非であると知っても正さず、そのまま実施に移すものがいる。一役人の小さな感情を害する事を嫌がって、たちまち万民の弊害を招く。これこそ、まさに亡国の政治である。
貞観政要」の中には学ぶべき点があるが、何やら日本の欠点を指摘されているような気持ちになるのがこの部分である。前に塩野七生氏と「コンスタンチノープルの陥落」について対談した時、その国の興隆に導いた要因が裏目にでると、それがそのまま国を亡ぼす要因となる、と私がいうと、氏は即座に賛成され、間髪入れず、日本の場合はそれが「和」であろうと指摘された。

帝王学 「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

山本さんは、戦地で九死に一生を得る経験をしました。
無謀・無計画な作戦や補給の失敗によって、多くの尊い命が散っていったのを目の当たりにした一人です。
私は、山本さんの思いが一人でも多くの日本人に伝わってほしいと願います。
東京オリンピックも来るところまで来てしまいました。
現代の日本は民主主義国家の代表的存在であります。
かつての軍国主義国粋主義ファシズム国家ではありません。
それでも結局、負け戦を途中で止めることが出来ませんでした。
無観客五輪。
空前絶後の大失態だと認識している人も大勢いるでしょう。
経済的損失を嘆く人もいます。
しかし、問題の本質はそこではないかもしれません。
戦後76年経っても変わっていない、この国民性と政治的能力。
この先の未来に大きな不安を感じざるを得ません。


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*1:劫濁こうじょく(飢饉・天災・戦争などが起きること)・見濁けんじょく(誤った考えがはびこること)・煩悩濁ぼんのうじょく(人をまどわすような煩悩がはびこること)・衆生濁しゅじょうじょく(人の心身の資質が下がること)・命濁めいじょく(人々の寿命が縮まること)をいう。