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正を立てて国を安んずる

正を立てて国を安んずる - 日蓮正宗 正林寺 掲示板
2020-07-05 | 御住職指導
正林寺御住職指導(R2.7月 第198号)

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一本しかないRNAを、細胞のDNAを使って複製するんですね。

 新型コロナウイルスと上手に付き合うための新しい生活様式がはじまりました。
 仕事においては時差通勤やテレワーク、ローテーション勤務などが推奨されています。すでに以前から推奨通りに取り組みがされている企業においては、問題なく柔軟な対応ができている状況があるようです。しかし、従来の馴染み深く親しみのある習慣からは、様々な課題が生まれ推奨されるようにはいかないことがあるでしょう。
 業種においてはコロナの影響により不安定な状況が続き、明日にもどうなるか分からないなかでの新しい生活様式が求められています。
 寺院においても業種別「ガイドライン」が宗務院の方針のもとにあります。ガイドラインに沿って参詣御信徒の安全と健康を守るため定められています。
 新しい生活様式には、ガイドラインとは別に信心生活を基本とした「正を立てて国を安んずる」ことを生活様式として変える機会になります。それは、「正を立てて国を安んずる生活様式」です。現在の生活リズムが信心から離れていると感じている人、寺院参詣からは数年~数十年以上、ご無沙汰されて総本山の大御本尊と寺院に在す御本尊から離れて一人信心の方にも、新しい生活様式と同時に、本来あるべき日蓮大聖人が望まれる法華講員として師弟相対の信心即生活へと変える時になります。まさに、創価学会員さんや顕正会員さんは、創価学会流の信仰、顕正会流の信仰の寸心を改めるべき時でしょう。創価学会流の信仰、顕正会流の信仰を、大聖人は望まれていません。また、信心に興味のある入講されていない方にも「正を立てて国を安んずる生活様式」に変える機会になります。
 すでに「正を立てて国を安んずる」ことを生活様式として習慣化されて実践している法華講員の方には、さらなる御命題成就の自行化他への精進につなげることが大切であります。

 「正を立てて国を安んずる」生活様式での一日は、朝の勤行から始まります。朝起きてから朝食の前、仕事や学校へ行く前に必ず勤行することが、「正を立てて国を安んずる」生活様式では基本中の基本となります。
 勤行の前には、御本尊への御給仕があります。所作として、樒の一葉を口にくわえて御本尊に息がかからないように心がけます。その所作と心がけには「疫病は愚癡より起こる」(御書1386)との御指南を心肝に染めるためにも大事な意義が存する所作とも拝します。次に、人が生きていくために必要不可欠な「水」を必ずお供え申し上げます。お供え申し上げた水には、樒の先端を浮かせます。今日一日を御本尊の功徳に浴させて頂く大切な意味が一端として、樒の先端を浮かせる所作には存します。そして、灯明に火をともし、お線香を焚いて横に寝かせてお供え申し上げます。これで朝の勤行の準備が調い、始めることができます。
 まず勤行の始めに、御本尊への御題目三唱からはじまります。次に東天に向かい初座(諸天供養)を行い、その次からは御本尊へ向かって二座(本尊供養)三座(三師供養)四座(広宣流布祈念)五座(回向)と続いていき、朝の勤行は終了します。
 日蓮正宗寺院から御本尊を御下付頂いていない内得信仰の方は、富士山の方角、総本山大石寺の奉安堂に在す本門戒壇の大御本尊に向かって朝の勤行は行います。
 終了後、灯明を消して、御本尊御安置の仏壇の清掃や樒の水替えなどを行います。清掃等は勤行の前でもかまいませんが、欠かさずに行いましょう。
 そして帰宅したら、うがい手洗いを行い身を清めてから、無事に帰宅できたことを報告するために御本尊へ題目三唱を行います。それから夕勤行の準備をします。朝にお供え申し上げた水をお下げし、過去帳を翌日にめくり、ローソクや線香に火を灯してから夕勤行の三座(二座・三座・五座)を行います。

 以上のような修行(自行)をすることが「正を立てて国を安んずる」ための基本となります。他宗での念仏を唱えたり、座禅を組んだり、般若心経を写経したりと法華経以外の余経は一切行いません。ゆえに宗祖日蓮大聖人は『聖愚問答抄』に、
「此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり」(御書403)

と仰せであり、「此の時」である末法時代の修行には無用となる理由からであります。
 御法主日如上人猊下は、
末法今時においては、法華経本門寿量品文底下種の南無妙法蓮華経のことであります。すなわち、本門戒壇の大御本尊に帰依することが『実乗の一善に帰』することであります。」(大日蓮 第892号)
と御指南です。

 大聖人は朝夕の勤行について『御義口伝』に、
「今日蓮等の類(たぐい)南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は与如来共宿の者なり。傅大士(ふだいし)の釈に云はく『朝々(ちょうちょう)仏と共に起き、夕々(せきせき)仏と共に臥(ふ)す。時々に成道し、時々に顕本す』云云。」(御書1749)
と仰せであり、「朝々仏と共に起き」ることは朝の勤行であり、「夕々仏と共に臥す」ことは夕の勤行になり、朝夕の勤行を勤めるよう御指南と拝します。当宗の勤行を行うことにより「時々に成道し、時々に顕本す」る仏果を御本尊から頂戴することが叶います。この修行が「正を立てて国を安んずる」実現につながります。『御義口伝』中の「傅大士」とは、中国、南北朝時代の僧であり、大聖人は『呵責謗法滅罪抄』に、
弥勒菩薩は傅大士となれり」(御書714)
と仰せであります。
 まさに大聖人は朝夕の勤行について『一生成仏抄』に、
「深く信心を発こして、日夜朝暮に又懈らず磨くべし。何様にしてか磨くべき、只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを、是をみがくとは云ふなり」(御書46)
と仰せであり、「日夜朝暮に又懈らず磨く」ことが朝夕の勤行になります。
 御法主日如上人猊下は、
「朝夕の勤行は信心の基本であります。」(御指南集26 P41)
と御指南です。

 さらに「正を立てて国を安んずる」とは、宗祖日蓮大聖人が『立正安国論』に、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ(やぶ)壊れんや。国に衰微(すいび)無く土に破壊(はえ)無くんば身は是(これ)安全にして、心は是禅定ならん。此の詞(ことば)此の言(こと)信ずべく崇(あが)むべし。」(御書250)
との御指南に要約されています。「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ」とは「正を立てて」に拝され、「然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。(中略)国に衰微(すいび)無く土に破壊(はえ)無くんば身は是(これ)安全にして、心は是禅定ならん。」とは「国を安んずる」ことに拝されます。

 また「正を立てて国を安んずる」について『法華初心成仏抄』に、
「闘諍堅固の時は余経の白法は験(しるし)失せて、法華経の大良薬を以て此の大難をば治すべしと見えたり。法華経を以て国土を祈らば、上一人より下万民に至るまで悉く悦び栄へ給ふべき鎮護国家の大白法なり。」(御書1313)
と仰せであります。「法華経を以て国土を祈らば」は「正を立てて」に拝され、「上一人より下万民に至るまで悉く悦び栄へ給ふべき」が「国を安んずる」ことに拝されます。
 「闘諍堅固の時」とは末法時代のことであります。「余経の白法は験(しるし)失せて」いることにも気づかず、未だに余経で祈祷を行い新型コロナの疫病を退散させようとの「蟹の足」(御書1040)を重要視した祈りが後を絶ちません。「法華経の大良薬を以て此の大難をば治すべしと見えたり」との逆行が蔓延っている現実があります。信仰の寸心を改めて「法華経を以て国土を祈らば、上一人より下万民に至るまで悉く悦び栄へ給ふべき鎮護国家の大白法なり」との祈りへと改心すべきであります。
 まさに法華経による「うるし(漆)千ばい(杯)」(御書1040)の純粋な祈りにより、「上一人より下万民に至るまで悉く悦び栄へ」ると仰せの現実になることを確信して、三大秘法の御本尊に祈ることが大事であります。

 末法時代に「正を立てて国を安んずる」方法を説かれたのが、日蓮大聖人の『立正安国論』であります。文応元年(一二六〇)七月十六日に時の最高権力者であった北条時頼へ奏呈されました。今月は『立正安国論』御奉呈の月に当たります。
 「正を立てて国を安んずる」とは、「立正安国」のことであります。
 御法主日如上人猊下は、
「『立正安国』、正を立てて国を安んずるということ」(信行要文 七 P177)
と御指南であります。
 立正安国の詳細について大聖人は『立正安国論』に、宗旨の深意である三大秘法、要中の要、正中の正を文の底に秘沈なされた上から、法華経と念仏の違いについて権実相対を規範とされて御指南であります。
 さらに第二十六世日寛上人は『安国論愚記』に「立正の両字」(御書文段4)と「安国の両字」(御書文段5)について、三重秘伝の上から御指南であります。
 「立正」とは破邪に対する言葉であり、『方便品第二』に説かれる「正直に方便を捨てて」(法華経124)は邪を破す意味があり、「但無上道を説く」(法華経124)は正を立てる意味があります。
 「安国」とは一閻浮提に通じており、文においては日本の現世に在り、意においては閻浮ならびに未来へ通じる意味があります。それはまさに『薬草喩品第五』に説かれた、
「現世安穏。後生善処」(法華経217)
であり、現当二世のことであります。
 大聖人は『立正安国論』に、
「四海万邦(ばんぽう)一切の四衆、其の悪に施さずして皆此の善に帰せば、何なる難か並び起こり何なる災か競ひ来たらん。」(御書248)
と仰せであります。「蟹の足」(悪)である「悪に施さずして」、「漆千杯」(善)となる「善に帰せば」、現在懸念される新型コロナや異常な気候変動も終息するとの道理であります。まさに大聖人は『四条金吾殿御返事』に、
法華経の御信心強盛なれば大難もかねて消え候か。是につけても能く能く御信心あるべし。」(御書1292)
と仰せであります。

 信心生活の「正を立てて国を安んずる」とは自行化他が基本となります。「うるし(漆)千ばい(杯)」となる「正を立てて国を安んずる」生活様式により、謗法である「蟹の足」に翻弄されない絶対的幸福を現当二世にわたり三世間へと実現することができます。
 7月中は唱題行になります。唱題行では、しっかりと「正を立てて国を安んずる」ことを意識して、心肝に染まるように精進しましょう。

 

宗祖日蓮大聖人『曾谷殿御返事』に曰く、
「謗法(ほうぼう)を責めずして成仏を願はゞ、火の中に水を求め、水の中に火を尋ぬるが如くなるべし。はかなしはかなし。何(いか)に法華経を信じ給ふとも、謗法あらば必ず地獄にを(堕)つべし。うるし(漆)千ばい(杯)に蟹の足一つ入れたらんが如し。『毒気深入(どっけじんにゅう)、失本心故(しっぽんしんこ)』とは是なり。」(御書1040) 

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日蓮正宗 勤行要典の解説

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