1021夜:アダムスミス「道徳感情論」が究極の哲学書である理由
私がイチオシの本が文庫化されました。
この本のおかげで、僕は一種の悟りを啓くことができたのです。
アダムスミスといえば「国富論」が有名ですが、彼の出世の本懐は「道徳感情論」でした。アダムスミスは哲学者ですから。
そして、本当の目的を果たすためには、国家論を完成したいと考えていたようですが、多忙を極めたスミスは原稿を廃棄して死にました。
後世の曲解を怖れたのです。
賢人ですよね。その振舞。
「道徳感情論」も浅い読み方をされ続けて幾星霜。。。
共感性が大事だと言った本。。的な見当違いで受け止められてきました。
立派な思想や哲学は、正統な後継者に受け継がれることを望んでいます。
共感性は進化の途上で獲得形成された、心のモジュール *1の一つに過ぎません。
アダムスミスは、人類種が生き残るために必要としてきた共感性能力が、国民国家・大衆社会の出現によって、大きな枷となることを見抜いたのです。
それが、冤罪・虐殺の分析で明らかになりました。
冤罪・虐殺の陰には、正しい心と名利の心が存在しています。
正義感と名誉心。
仏法でいうところの修羅界です。
仏法を学んだ私は、この本の結論を知った時感嘆の声を挙げました。
未だ焦種の者作仏すべしとは説かず。かゝる重病をたやすくいやすは、独り法華の良薬なり。只須く汝仏にならんと思はゞ、慢のはたほこをたをし、忿りの杖をすてゝ偏に一乗に帰すべし。名聞名利は今生のかざり、我慢偏執は後生のほだしなり。嗚呼、恥ずべし恥ずべし、恐るべし恐るべし。(持妙法華問答抄296㌻)
有名な御金言です。
世に数多くの善論が存在します。
などがそうでしょう。
上記の二書が説いていることって何か分かりますか?
地球の温暖化を食い止め、格差社会の悲惨を無くすための秘訣です。
余分な金を貯めようとするな!
それだけなんです。
己が一生かかって、妻子眷属に裕福な生活を保障してやれる以上の金を貯めるなってことです。
難しい戒律じゃないですよね。
拙ブログの読者の皆さんなら、10億あればいいでしょ?
どんなに子だくさんでもね。
でも、中国共産党幹部はスイスの銀行に1400兆円ため込んでいるそうです。
何のために?
って思いますよね?
我が国の国債残高を全て満期償還できます!
貨幣は名利の象徴なんですよ。
評判の実体化したモノです。
要するに人間である以上、蓄財はとめられません。
禁煙・禁酒の比じゃないんです。
通帳残高の数字を眺める快感は。
生存本能に由来してますからね。
サピエンス全史でも、虚構概念こそが人類の適者生存の鍵であったと書かれています。
僕の悟りから会通すれば、「空」の力を引き出したってことです。
人類は空性からエネルギーを得る生き物です。
自由と言い換えてもいいでしょう。
自由こそが原動力なのです。
自由の反対概念が平等です。
ああ!
って分かった人は、おめでとうございます!
小さな悟りに達したようですよ。
人類が世界平和と安心立命を得るためには、自由の尊重と平等の実現が肝要なのです。
そのモデルが、日本にあります。
天皇制です。
今は天皇は旧江戸城に居ますが、本来は城壁のない皇居に居ました。
王でありながら貪らず、国民の平和のみを祈る存在。
そして神の子孫。
傍流ではありますが、英国保守主義の哲学者にはうっすらと見えていたようです。
皆さんも研鑽してみてください。
*1:機能単位、交換可能な構成部分などを意味する英単語。 機器やシステムの一部を構成するひとまとまりの機能を持った部品で、システム中核部や他の部品への接合部(インターフェース)の仕様が明確に定義され、容易に追加や交換ができるようなもののことを指す。