御書を人生の灯とするために:災難興起
人生のつらい時期、御書を灯(ともしび)として信心で乗り越えてまいりましょう。
「御書を読むのは苦手だ」
「口語訳をお願いします」
御書を読むことを常々お勧めしていますと、時々、読めないという御意見を頂戴いたします。
しかし、せっかく日本人に生まれ、大聖人様と同じ日本語を生まれながらの言語として、ネイティブの利益を得ておられるのに、敬遠してしまうのはもったいないと思うのです。
そこでお勧めしたいのが、日蓮大聖人御書の要文集です。日蓮正宗では、日蓮大聖人御金言義類別入文集を日顕上人様御監修のもと発刊されております。
どうか、ご購入いただき、御書研鑽の一助となされますように。
義類別というのはどのような意味か?
大聖人様の御書を、その目的に応じて拝することが出来るように、分類されて要文が編集されているということです。
たとえば、三災七難について表題の「災難興起」という項目があります。
この項目では、七つの要文が掲載されています。
- 法華経等の諸大乗経・国中に在りと雖も一切の四衆捨離の心を生じて聴聞し供養するの志を起さざる故に国中の守護の善神・一切の聖人此の国を捨て去り守護の善神聖人等無きが故に出来する所の災難なり。(災難対治抄)
- 微管を傾け聊か経文を披きたるに世皆正に背き人悉く悪に帰す、故に善神は国を捨てて相去り聖人は所を辞して還りたまわず、是れを以て魔来り鬼来り災起り難起る言わずんばある可からず恐れずんばある可からず。(立正安国論)
- 正嘉元年太歳丁巳八月廿三日戌亥の時前代に超え大に地振す、同二年戊午八月一日大風・同三年己未大飢饉・正元元年己未大疫病同二年庚申四季に亘つて大疫已まず万民既に大半に超えて死を招き了んぬ、而る間国主之に驚き内外典に仰せ付けて種種の御祈禱有り、爾りと雖も一分の験も無く還つて飢疫等を増長す。日蓮世間の体を見て粗一切経を勘うるに御祈請験無く還つて凶悪を増長するの由道理文証之を得了んぬ、終に止むこと無く勘文一通を造り作して其の名を立正安国論と号す、文応元年庚申七月十六日辰時屋戸野入道に付けて古最明寺入道殿に奏進し了んぬ此れ偏に国土の恩を報ぜんが為なり。(安国論御勘由来)
- 抑去る正嘉元年丁巳八月二十三日戌亥の刻の大地震、日蓮諸経を引いて之を勘えたるに念仏宗と禅宗等とを御帰依有るが故に日本守護の諸大善神瞋恚を作して起す所の災なり、若し此れを対治無くんば他国の為に此の国を破らる可きの由勘文一通之を撰し正元二年庚申七月十六日御辺に付け奉つて故最明寺入道殿へ之を進覧す、其の後九箇年を経て今年大蒙古国より牒状之有る由・風聞す等云云、経文の如くんば彼の国より此の国を責めん事必定なり、而るに日本国の中には日蓮一人当に彼の西戎を調伏するの人たる可しと兼て之を知り論文に之を勘う(宿屋入道への御状)
- 南無妙法蓮華経の七字を日本国にひろめ震旦高麗までも及ぶべきよしの大願をはらみて其の願の満ずべきしるしにや、大蒙古国の牒状しきりにありて此の国の人ごとの大なる歎きとみへ候(別当御房御返事)
- 自界叛逆難・他方侵逼の難既に合い候い畢んぬ、之を以て思うに「多く他方の怨賊有つて国内を侵掠し人民諸の苦悩を受け土地に所楽の処有ること無けん」と申す経文合い候いぬと覚え候、当時壱岐・対馬の土民の如くになり候はんずるなり(曾谷入道殿御書)
- 今末法に入つて二百二十余年五濁強盛にして三災頻りに起り衆見の二濁国中に充満し逆謗の二輩四海に散在す、専ら一闡提の輩を仰いで棟梁と恃怙謗法の者を尊重して国師と為す、孔丘の孝経之を提げて父母の頭を打ち釈尊の法華経を口に誦しながら教主に違背す不孝国は此の国なり(曾谷入道殿許御書)
自然・社会に起きる災難は、全て謗法が原因であると説かれています。
今回の台風被害に感ずることがあれば、7番目の曾谷入道殿許御書の該当部分を探してみてください。御書の781ページと索引が付されています。
御書もぜひともご購入ください。
今末法に入つて二百二十余年五濁強盛にして三災頻りに起り衆見の二濁国中に充満し逆謗の二輩四海に散在す、専ら一闡提の輩を仰いで棟梁と恃怙謗法の者を尊重して国師と為す、孔丘の孝経之を提げて父母の頭を打ち釈尊の法華経を口に誦しながら教主に違背す不孝国は此の国なり勝母の閭他境に求めじ、故に青天眼を瞋らして此の国を睨み黄地は憤りを含んで大地を震う、去る正嘉元年の大地動・文永元年の大彗星・此等の災夭は仏滅後二千二百二十余年の間・月氏・漢土・日本の内に未だ出現せざる所の大難なり、彼の弗舎密多羅王の五天の寺塔を焼失し漢土の会昌天子の九国の僧尼を還俗せしめしに超過すること百千倍なり大謗法の輩国中に充満し一天に弥るに依つて起る所の夭災なり、大般涅槃経に云く「末法に入つて不孝謗法の者大地微塵の如し」取意、法滅尽経に「法滅尽の時は狗犬の僧尼・恒河沙の如し」等云云取意、今親り此の国を見聞するに人毎に此の二の悪有り此等の大悪の輩は何なる秘術を以て之を扶救せん、大覚世尊仏眼を以つて末法を鑒知し此の逆・謗の二罪を対治せしめんが為に一大秘法を留め置きたもう、所謂法華経本門久成の釈尊・宝浄世界の多宝仏・高さ五百由旬広さ二百五十由旬の大宝塔の中に於て二仏座を並べしこと宛も日月の如く十方分身の諸仏は高さ五百由旬の宝樹の下に五由旬の師子の座を並べ敷き衆星の如く列坐したもう、四百万億那由佗の大地に三仏二会に充満したもうの儀式は華厳寂場の華蔵世界にも勝れ真言両界の千二百余尊にも超えたり一切世間の眼なり、此の大会に於て六難九易を挙げて法華経を流通せんと諸の大菩薩に諫暁せしむ、金色世界の文殊師利・兜史多宮の弥勒菩薩・宝浄世界の智積菩薩・補陀落山の観世音菩薩等・頭陀第一の大迦葉・智慧第一の舎利弗等・三千世界を統領する無量の梵天・須弥の頂に居住する無辺の帝釈・一四天下を照耀せる阿僧祇の日月・十方の仏法を護持する恒沙の四天王・大地微塵の諸の竜王等我にも我にも此の経を付属せられよと競い望みしかども世尊都て之を許したまわず、爾の時に下方の大地より未見・今見の四大菩薩を召し出したもう、所謂上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩なり、此の大菩薩各各六万恒河沙の眷属を具足す形貌威儀言を以て宣べ難く心を以て量るべからず、初成道の法慧・功徳林・金剛幢・金剛蔵等の四菩薩各各十恒河沙の眷属を具足し仏会を荘厳せしも大集経の欲・色二界の中間大宝坊に於て来臨せし十方の諸大菩薩乃至大日経の八葉の中の四大菩薩も金剛頂経の三十七尊の中の十六大菩薩等も此の四大菩薩に比挍すれば猶帝釈と猿猴と華山と妙高との如し、弥勒菩薩・衆の疑を挙げて云く「乃一人をも識らず」等云云、天台大師云く「寂場より已降今座より已往十方の大士来会絶えず限る可からずと雖も我れ補処の智力を以て悉く見・悉く知る而も此の衆に於ては一人をも識らず」等云云、妙楽云く「今見るに皆識らざる所以は乃至智人は起を知り蛇は自ら蛇を識る」等云云、天台又云く「雨の猛きを見て竜の大なるを知り華の盛なるを見て池の深きを知る」云云、例せば漢王の四将の張良・樊噲・陳平・周勃の四人を商山の四皓・綺里枳・甪里先生・東園公・夏黄公等の四賢に比するが如し天地雲泥なり、四皓が為体頭には白雪を頂き額には四海の波を畳み眉には半月を移し腰には多羅枝を張り恵帝の左右に侍して世を治められたる事・堯舜の古を移し一天安穏なりし事・神農の昔にも異ならず、此の四大菩薩も亦復是くの如し法華の会に出現し三仏を荘厳し謗人の慢幢を倒すこと大風の小樹の枝を吹くが如く衆会の敬心を致すこと諸天の帝釈に従うが如く提婆が仏を打ちしも舌を出して掌を合せ瞿伽梨が無実を構えしも地に臥して失を悔ゆ、文殊等の大聖は身を慙ぢて言を出さず舎利弗等の小聖は智を失して頭を低る(曾谷入道殿許御書)
一大秘法の御文が出てきました。
一大秘法とは、戒壇の大御本尊様のことであります。
災難を対治するには、戒壇の大御本尊様に帰依し、信順するほかないことがお示しです。
今年は大聖人様の生まれ故郷の千葉が大ダメージを受けました。
これには、仏法上の深い意義が存在するのではないかと思います。
どうか、皆さまが諸天の警告に耳を傾け、日蓮正宗に帰依せられんことを願うものであります。
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