日本、不幸の根本原因
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
もう読まれた方は、気づいておられると思いますが、今回の本は、いままでの本とまったく異なります。
「中国に勝つ日本の大戦略」で、「日本が、中国に戦わずして勝てる方法」を詳細に記した。
それで、日本国内にも目をむけてみたのです。
すると、驚くべき実態がわかってきました。
国連によると、日本は世界幸福度ランキングで54位。
さらに、神谷先生のイシキカイカク大学案内ページにこんな情報がでていました。
・教育への公的支出:最下位(34 カ国中)
・平均睡眠時間:最下位
・日本企業の社員の「やる気」:最下位
・仕事でやりがいを感じている:最下位
・世界の仕事満足度調査:最下位
・自国に対する誇り:最下位
・世界幸福度ランキング:最下位(先進国中)
・自分自身に満足している若者:最下位
・将来に明るい希望を持っている若者:最下位
「マジですか!?」
私は、叫びました。
私は神谷先生を信じていますが、念のため、調べてみることにしました。
すると、どれも事実であることが判明したのです。
(新刊で、すべての証拠を提示しています。気になる方は、ごらんになってください。)
調べている過程で、かなり気になる情報もありました。
たとえば日経にでていたこれ。
<「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査
2017/5/26 0:29
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふ
れる社員」の割合が6%しかないことが分かった。
米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。>
私は今まで、「日本が不幸だとすれば、それは【自虐史観】のせいだ」と思っていました。
今でもそうですが。
それで、自虐史観の特効薬、伊勢雅臣先生の国際派日本人養成講座(JOG)を、10年以上も推薦しつづけています。
しかし、どうもそれだけじゃないようなのです。
日本、不幸の根本原因は、【信じるものがない】ことなのだと。
どういうことでしょうか?
▼日本人がこれまで信じてきたこと
徳川家康は、100年以上つづいてきた戦国時代を終わらせました。
そして、250年以上もつづく、平和な時代を築いた。
当時の日本人にとって、幕府は天地の如く盤石な存在。
しかし、1853年に黒船が来航すると、その「信仰」がゆらぎます。
そう、幕府には欧米列強に対抗する力がないことがバレてしまった。
世は幕末へむかっていきます。
そして、1868年明治維新。
日本国民は次に、天皇を信仰するようになります。
天皇陛下は、生き神様なので、ついていけば間違いないと。
日本は、この信仰をベースに、大発展しました。
日清、日ロ、第1次大戦と3連勝。
国民の信仰は、ますます強まっていったのでした。
しかし、この信仰は、1945年の敗戦で崩壊しました。
今も日本国民は、天皇陛下と皇室を敬愛しています。
ですが、もはや「天皇陛下についていけば、安心だ」とは考えません。
天皇陛下と政治を結びつけることはなく、何か問題があれば、「安倍さんなんとかしてよ」となる。
▼会社教の誕生と崩壊
日本国民は、敗戦でアイデンティティークライシスになりました。
信じていたものがいきなり否定されたからです。
それでも日本人は、速やかに新たな信仰の対象をみつけました。
会社です。
会社は、日本人の新しい宗教になりました。
会社を信じ、忠誠をつくす人は、すばらしい「現世利益」をえることができる。
一つは、年功序列。
なんと、毎年給料があがり、地位も上がっていくのです。
もう一つは、終身雇用。
あなたは、定年まで同じ会社で務めることができる。
首になることは、今と違ってほとんどないのです。
それで、奥さんも納得して、ダンナさんが朝から深夜まで働くことを容認していました。
これが、「信仰」と「夢」のパワーです。
「給料があがっていきます」
「出世していきます」
しかも、「確実にそうなります」という信仰は、それだけで大きな原動力になりえたのです。
ところが、大事件が起こり、会社教は崩れはじめます。
それが90年代初めに起こった「バブル崩壊」。
これで、「右肩あがりで給料をあげること」が難しくなりました。
そして、2000年代はじめになると、今話題のゴーンさんが「大リストラ」により、日産を「V字回復」させた。
それで、「リストラ解禁!」となった。
以後、日本の経営者も追随し、日本ではリストラが一般化しました。
こうして会社教の大きな柱、年功序列、終身雇用、どちらも折れた。
そう、信者(従業員)は、自分が信じていた宗教に裏切られたのです。
日本人は、アイデンティティークライシスに陥りました。
会社はもはや、昔のような現世利益を提供できない。
会社と従業員は、「必要な時はあんたを雇うけど、必要なくなれば首にするから」という関係です。
(もちろん、すべての会社がそうとはいいませんが・・・。)
会社は、「苦しくなったら首にする」にもかかわらず、一方で、「最近の若者は愛社精神が足りない」と嘆いている。
こんな関係で愛社精神に満ち溢れていたら、「マゾ」でしょう?
そう、日本の会社員は、会社教を信じていません。
なぜなら、会社が二つの現世利益を放棄したからです。
ところが、社会の仕組みは、いまだに「会社教時代のまま」になっている。
たとえば?
日本の会社員は、朝8時から夜10時まで働いていることが多い。
会社を信じていた時代なら、我慢できたでしょう。
奥さんだって、「おかげさまで給料は毎年上がるし、定年まで務めさせていただけるのだから」と納得していた。
ところが、今は、「苦しくなったら首にする存在のために早朝から深夜まで働かなければならない」。
普通、幸せじゃないですね。
私が見るに、これが日本、不幸の根本原因です。
まとめると、
1、日本は1950〜1990年、会社教で大発展した
2,1990年のバブル崩壊で、毎年給料をあげることが難しくなった
3、ゴーン改革でリストラが一般化した
4、結果、会社教は崩壊した
5、信じていたものに裏切られた日本国民はアイデンティティクライシスに陥った
6、会社教は崩壊したが、社会の仕組みはいまだ会社教時代のままである
▼根本的改革が必要
日本には現在たくさんの問題があります。
・過労死、過労自殺
・過酷なイジメ
・増える児童虐待
・家庭崩壊
・地方の衰退
・東京圏への一極集中
・少子化
・熟年離婚
・増えつづける子供の糖尿病
・未婚化、晩婚化
・孤独死
などなど。
これらすべては、相互に全然関係ないように思えるでしょう。
しかし、実はすべてつながっているのです。
根本原因は、
・価値観の崩壊(会社教の崩壊)
・にもかかわらず、社会の仕組みが崩壊した価値観(会社教)時代のままであること
・新たな価値観が登場していないこと
80年周期で考えると、2018年は、1938年に対応します。
1937年、日中戦争がはじまった。
日本は、中国、アメリカ、イギリス、ソ連を敵にまわし、敗戦への道を驀進していました。
今日本は、世界で孤立していません。
現代の戦争は、アメリカと中国が主役である。
日本は、現状「戦勝国の側」にいます。
しかし、「昔うまくいっていた価値観が崩壊過程にあること」に変わりありません。
日本の中心は、幕府→ 天皇→ 会社
と変わってきました。
これらの中心的価値は、それぞれ日本を大発展させましたが、やはり永遠ではないのです。
今の日本には、新しい中心的価値が必要です。
新しい中心的価値は、古い価値でもあります。
私の新刊を読んでくださった伊勢雅臣先生は、メルマガの最後にこう書かれています。
<自分の生まれた郷里で、親の近くに住み、子育ても助けて貰い、親の面倒も見ながら、幸福な家庭生活を送る。
こうした家族を中心とした幸せな家庭生活を目指すことを、北野氏は「家族大切主義」と名付けている。
これは高度成長期の、郷里を捨て家庭を犠牲にしても会社のために働く、という「会社教」を反省し、日本の伝統的な生活に回帰することでもある。
そもそも江戸時代から戦前までは「家族大切主義」が主流であった。
そして、戦前の道徳規範であった教育勅語においても、「父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し」と、良き家庭生活を築くことから徳目を始めていた。>
「会社教から家族大切主義へ」
これ、「キレイごと」「抽象的」「具体的じゃない」と感じる人もいることでしょう。
しかし、実をいうと徹底的に「具体的」な話です。
ウソだと思う方は、是非ご一読ください。
子供達のために、孫たちのために、幸せな日本をつくっていきましょう。
↓
●日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う
●PS
米中戦争がはじまりました。
なぜそういうことになったのでしょうか?
その背景、プロセスを知りたい方。
日本が中国に必勝できる方法を知りたい方。
いますぐこちらをご一読ください。
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