全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
まず、お知らせから
ダイヤモンドオンラインに記事が載りました。
公開1日で、「週間ランキング1位」という珍しい結果がでています。
●トランプが中国に仕掛けた逆転劇、世界は一気に反中に傾いた
まだの方は、是非ご一読ください。
https://diamond.jp/articles/-/189887
●スマホで読めない場合はPCで試してください。)
では、本題。
世界経済は、これからどうなっていくのでしょうか?
世界銀行の見通しは、どうなのでしょうか?
BBC NEWS JAPAN 1月9日付を参考に見てみましょう。
▼世界経済は悪化するも、ソフトランディング?
<今年の世界の経済成長率は2.9%と、昨年6月時点の3%から0.1ポイント下方修正。
来年は2.8%になるとみており、成長がやや鈍化するとの予測を示した。>
世銀の予測によると、世界経済は2019年、2.9%成長。
2020年は、2.8%だそうです。
バブル崩壊後万年低成長の日本からすると、「悪くない」ように思えますが。
しかし・・・。
<しかし、おおむね好調の見通しを懸念が上回っている状況で、下方修正した成長率にも達しない可能性がある。>(同上)
2019年、2.9%に達しないこともあり得ると。
<報告書には良いニュースもあった。世銀のエコノミストは、経済成長は鈍化するものの、その落ち込みは「軟着陸」になるとみている。減速は昨年半ばから始まっているが、今のところ「秩序のとれた」減速を維持しているという。>(同上)
なるほど〜。
つまり、成長が鈍化していくのは確実。
しかし、「秩序のとれた」減速である。
つまり、08年のような危機は起こらないだろうと。
▼米中経済の見通しは?
<今後さらに減速が続くと予想されるのは主に富裕国、特にアメリカだが、ユーロ圏や日本に比べれば、アメリカは今後も速い成長を続けると世銀はみている。
アメリカの成長鈍化はドナルド・トランプ大統領による減税政策の効果が薄れてきたことが原因で、同国の成長は昨年の2.9%から、2021年までには約半分の1.6%まで落ち込む見通しだ。>
アメリカは、2018年の2.9%から2021年には1.6%まで鈍化する。
<中国は1980〜2010年にかけて10%の経済成長を維持していたが、2021年までに6%となる見込みで、これは中国経済にとって大幅なギアチェンジを意味する。>(同上)
中国のGDPをみると、世界経済が最悪だった09年でも9.2%の成長。
10年には10.61%成長し、「中国の時代が来た!」と確信した人も多かったのです。
ところが、2012〜14年は7%台。
15年からは6%台まで鈍化しています。
しかも中国の場合、公表される統計が信用できない。
15年、16年は6%も成長していなかったと主張する人もたくさんいる。
高橋洋一先生は、貿易統計から判断して、2015年はマイナス3%ぐらいだろうとおっしゃっていました。
公式統計でも、「今後も鈍化傾向はつづいていく」ということですね。
ここまでをまとめると。
・アメリカの成長は鈍化していく
・中国の成長も鈍化していく
・世界経済の成長も鈍化していく
となります。
▼世界経済のリスク
世界経済は鈍化していくものの「ソフトランディングだ」と世銀はしていた。
ところが、「ソフトランディングしない可能性」もあるのです。
ややこしいですね。
<世銀は向こう数年間、世界経済全体でもこうした緩やかな減速がみられると予測している。しかし、複数のリスクのため、予測した通りにはならないかもしれない。
その懸念が、今回の経済見通しの「Darkening Skies(暗雲立ち込める空)」というタイトルに反映されている。>(同上)
複数のリスクとは、何でしょうか?
「最大のリスク」は、皆さんの予想通り。
そう、「米中貿易戦争」です。
<報告書は、米中が経済保護策を強化する危険性はなお高く、それが世界の2大国の経済活動を低迷させると懸念を示す。特に中国の成長鈍化は、工業製品やエネルギー、金属などを大量消費する中国に輸出している途上国にとって問題になる。
オーネゾルゲ氏は、米中は世界貿易の2割、世界全体の域内総生産(GDP)の4割を占めていると指摘する。
もし両国の経済が打撃を受ければ、「世界中でその影響が出る」という。>(同上)
この二国の貿易戦争が激化すれば、「世界中でその影響が出る」というのは、当然すぎる結論です。
では、両国の貿易戦争は激化するのでしょうか?
アメリカは、昨年「中国打倒を決意した」と私は見ています。
しかし、両国とも核兵器を大量保有していることから、戦争の形態は変わっている。
戦闘ではなく、情報戦、外交戦、経済戦 が活発に行われる。
そうなると、米中貿易(経済)戦争が激化し、それが世界経済に打撃を与えることになるでしょう。
二つ目のリスクは、こちら。
<世銀の予測では、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)は特に、欧州への輸出に依存する国にとってリスクになる可能性がある。
イギリスが欧州連合(EU)との合意なく離脱した場合、英・EU双方が大きな経済的打撃を受ける可能性があり、その余波は東欧や北アフリカにも及ぶという。>(同上)
「合意なきブレグジット」が2番目のリスク。
RPEでは去年から「危機に備えましょう」という話をしています。
「米中貿易戦争」「合意なきブレグジット」に加え、日本には「消費税率引き上げ」がある。
来年には、「五輪ミニバブル崩壊」も待っている。
「どう備えるか」は各人、各企業ごとに違うでしょう。
しかし一般的にいえば、新たな借金はせず、手持ちの現金を増やしておくということでしょうか。
皆さんの会社の社長さんが「日中関係が良くなって来た!さあ中国に出るぞ!」などといったら、是非反対してください。