来年の景気を決める三つのファクター
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
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では、本題。
はやいもので、今年も年末になってしまいました。
今回は、「来年の景気を決める三つのファクター」について考えてみましょう。
▼再開された経済活動
2020年、2021年と、新型コロナで経済活動がストップして大変でした。
私がよく行っていたレストランも、たくさん閉店になっています。
しかし、10月1日に緊急事態宣言が解除され、経済活動が活発になっています。
これ、街に出れば、「道にもお店にも人が増えている」こと、すぐ感じることができるでしょう。
「経済活動が再開されたこと」
これは、経済には、大いにプラスです。
「でも、オミクロン株で、また緊急事態宣言になるのでは」
こういう心配もあるでしょう。
たしかに、イギリス、ドイツ、ロシアなどでは、一日数万人の新規感染者数がでて、大変なことになっています。
日本にも、残念ながら「第6波」がくる可能性が高いです。
その際、再び「緊急事態宣言」が出る可能性もあります。
しかし、状況は、2020年、2021年より、楽になると思います。
なぜでしょうか?
2020年、世界中の国々は、新型コロナと戦う方法がわからず、苦悩していました。
2021年、ワクチンが普及し、日本でも死亡率が、20分の1程度まで減少しました。
そう、人類は「ワクチン」という武器を手に入れた。
私は、「ワクチン原理主義者」ではありません。
たしかに、「10年後に副反応がないと断言できるのか」と聞かれたら、断言できません。
しかし、たとえば高齢者は、新型コロナによる死亡率が高すぎる。
参考↓
https://www.ipss.go.jp/projects/j/Choju/covid19/index.asp
だから、高齢者がワクチンを接種することは、リスクよりメリットが大きいのです。
私も、80代の両親に、「ワクチンはやくしてよ」といいました。
2022年は、「飲み薬」が普及し、新型コロナは、どんどん「怖くない病気」になっていくでしょう。
だから、2020年、2021年のごとく経済活動が制限されることも減っていくはずです。
「経済活動が再開された」
これが一つ目のファクターです。
強力なプラスファクターですね。
▼中国バブル崩壊
二つ目のファクターは「中国バブル崩壊」です。
昨年9月、中国不動産2位「恒大集団」が経営危機に陥りました。
負債は34兆円(!)だそうです。
この危機は、現在もつづいています。
中国の危機、私は「国家ライフサイクル」と「人災」、二つの理由があると見ています。
「国家ライフサイクル」について。
私は、国家にも人間と同じ「生老病死」のようなプロセスがあると見ています。
長くなるのでここで詳細は書けませんが、「国家ライフサイクル理論」で、中国の未来を予測したのです。
たとえば16年前、2005年に出版された初めての本「ボロボロになった覇権国家アメリカ」の127pには、こうあります。
<中国は、2008年・2010年の危機を乗り越え、初めは安くてよい製品を供給する「世界の工場」として、その後は1億3000万人の富裕層を抱える巨大市場として、2020年くらいまで成長を続けるでしょう。>
ここでは、2005年の時点で、
・08〜10年に危機が起こること
(08年、リーマンショックから世界的危機が起こりました。)
・中国がその危機を乗り越えること
・2020年まで成長をつづけること
が予測されています。
さらに、7年前、2014年に出版された「クレムリン・メソッド〜世界を動かす11の原理」、99pにはこうあります。
<私は、現時点で「中国経済は二〇一八〜二〇二〇年ごろ、日本のバブル崩壊に匹敵するような出来事が起こる」と見ています。>
今回の「バブル崩壊」は、「国家ライフサイクル」で起こっているので、ある程度「仕方ない」といえます。
しかし、既述のように「人災」の側面もある。
それは、何でしょうか?
習近平が8月から「共同富裕」という言葉を頻繁に使うようになったこと。
「共同富裕」は、「みんなで一緒に金もちになろう」といった意味。
しかし実際は、「金持ちから金を奪ってしまえ」という意味で使われています。
そんな習は、「マンションは住むためのもので、投資の対象ではない」という「歴史的迷言」をいいました。
怖い独裁者からこんなことをいわれた日にゃあ。
皆、不動産投資から手を引きますね。
そうすると、必然的に不動産バブルは崩壊します。
というわけで、2022年、中国のバブル崩壊過程は止まりません。
GDP世界2位中国経済の停滞。
これが2番目のファクターです。
もちろん、ネガティブファクター。
▼アテにならない岸田内閣
三つ目のファクターは、「岸田内閣の経済対策」です。
岸田内閣の経済対策、規模は55.7兆円だそうです。
規模は立派ですが、私はあまり期待していません。
たとえば、「18歳以下の子供に10万円を給付する」という話。
・所得制限(家族で一番稼いでいる人の所得が960万円以下)
・現金5万円、クーポン5万円(批判をうけ、現金給付のみも容認)
・16歳〜18歳は、申請が必要
など、「ケチケチ感」がにじみでています。
オバマさんは09年、「100年に1度の大不況」を見事に克服しました。
アメリカ経済は2010年からプラスに転じ、以後2019年まで成長をつづけたのです。
この時オバマさんは、200兆円の財政赤字を出しながら、どんどん救済していった。
それで、流れが反転したのです。
1929年、世界恐慌時の失敗と、2009年の成功。
わかることは、「政府は危機時に財政出動をケチっていてはいけない」ということです。
岸田さん、規模は立派ですが、現状「ポーズだけ」という感じがします。
だから岸田内閣の経済対策というファクターは、「少し効果がある」程度でしょう。
というわけで、2022年の景気を決める3つのファクター。
1、経済活動再開という強力なプラスファクター
2、中国バブル崩壊というマイナスファクター
3、岸田内閣の経済対策という、プチプラスファクター
この3つのファクターを合わせると、欧米のような「V字回復」ではなく。
「ゆるやかな景気回復」といった感じになるのでしょう。
いずれにしても、「天は自らを助くるものを助く」。
がんばって危機を乗り越えていきましょう。
ちなみに、「国家ライフサイクル」について知りたい方は、
・クレムリン・メソッド
↓
をご一読ください。