【RPE】★日本の極めて高度な戦略文化
RPE Journal==============================================
ロシア政治経済ジャーナル No.1863
2018/10/13
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
最近、日本人、特に世界を動かすスーパーエリートRPE読
者の皆さん必読の書が出版されました。
世界最強の戦略家ルトワックさんの
です。
翻訳は、日本一の地政学者・戦略家、神が日本につかわした再臨の諸葛孔明、奧山真司先生。
この内容を800円+税でゲットできるとは、曹操も嫉妬することでしょう。
間違いなく、ご一読ください。
さて、この本、とても興味深い話からはじまります。
ルトワックさんは、しばしば、「日本人は戦略下手だが、どうやったら戦略を効率よく学ぶことができるか?」
と質問されるのだそうです。
「日本人は、戦略下手????」
そうでしょう。
でなければ、アメリカ、イギリス、ソ連、中国を同時に敵にまわし、勝てない無謀な戦争はしなかったでしょう。
(1937年に日中戦争がはじまった時、中国は米英ソから支援を受けていた。)
ところが、ルトワックさんは、意外な答えをします。
▼日本の高度な戦略文化
<私はそうした質問に適切な答えを持ち合わせていない。なぜなら、私は、日本人が戦略下手どころか、極めて高度な戦略文化を持っていると考えているからだ。>(11p)
ええ〜〜、そもそも日本に「戦略文化」なんてあるのでしょうか?
ルトワックさんはいいます。
<これは、この国の四百年の歴史を眺めてみればわかる。日本人は、つねにひとつの完全な戦略システムを作りあげてきた。
しかも、そのシステムが危機に直面するたびに、新たな包括的なシステムに更新してきたのである。>
(同上)
わけがわかりません。
ルトワックさんは、例をあげながら解説します。
▼日本1.0
<まず十七世紀のはじめ、徳川家康という最高レベルの戦略家があらわれ、江戸幕府という完全なシステムを構築した。このシステムの凄いところは、内戦というものを完璧に封じこめたことだ。>
(同上)
いわれてみれば・・・・。
それまで日本は、100年以上つづく戦国時代だった。
徳川家康のおかげで、その後260年つづく平和な時代が到来した。
ちなみにルトワックさんは、家康をとても高く評価しています。
<もともと家康は「同盟」の論理を知り尽くした天才的な戦略家だった。
その対極にあるのは武田信玄である。
彼は完璧な戦術家であり、彼の軍団は戦国最強と謳われたが、天下を治めることはできなかった。
戦略は戦術に勝るのである。>(13p)
う〜む。
私たちも、意識しないと「戦略観」を忘れ「戦術」に偏ってしまうので、要注意ですね。
いくら戦術が立派でも、戦略で負けるとどうしようもありません。
ルトワックさんは、家康が作った体制を「江戸システム」「日本1.0」と呼びます。
さすが、世界最高の戦略家は、ネーミングもかっこいいですね!
▼日本2.0
ルトワックさんは、倒幕後のシステムを「明治システム」「日本2.0」と呼びます。
<黒船=西洋近代化という強大な勢力の挑戦を受け、日本人は「江戸システム」を捨て、まったく新しいシステムを選択した。>(14p)
そして、今回も日本は、とてもうまくやったのです。
<もちろん近代化という問題に直面したのは日本だけではない。しかし非ヨーロッパの国で、包括的な近代化を達成したのはやはり日本だけだったのだ。>(14p)
まさに!
賢いご先祖さまたちのおかげで、日本は近代化を成し遂げ、植民地にならずにすんだ。
ありがたいことです。
▼日本3.0
では、戦後の日本にも戦略はあったのでしょうか?
ルトワックさんは、いいます。
<一九四五年、日本はまた新しいシステムを発明した。この「戦後システム」の特徴は、弱点を全て強みに変えた点にある。
たとえばアメリカは日本政府に帝国陸海軍の再建を禁じた。
これは近代国家としての存続を大いに危うくするものだったが、日本政府は「では、これからは軍にカネをかけるのではなく、経済にカネを回そう」と、、経済を軸とするくにづくりに転進した。>(15p)
「アメリカが軍をもつことを禁止したから、仕方なくそうした」感じもしますが。
ルトワックさんは、「賢い日本人がそうした」と受け取っているのですね。
この「戦後システム= 日本3.0」の結果は、どうだったのでしょうか?
<この新システムによって、日本人は貧困の川を渡り、その対岸に位置する「なんとか生活できる状態」をも越えて、世界でも有数の豊かさに至ったのである。>(同上)
この次、ルトワックさん、非常に重要なことをさりげなくいっています。
<この転換で重要なのは、日本が敗北を認めたことだった。>(同上)
これって、そんなに重要なのでしょうか?
ルトワックさんは、例をあげます。
<現代においても、敗北を認められない国々は少なくない。たとえばパレスチナやアラブ諸国は、まだ一九六七年の第三次中東戦争で失ったヨルダン川西岸を返してくれと要求している。
彼らが行き詰っているのは、実は過去の敗北に囚われ続けているからなのだ。>
(同上)
この部分、とても重要ですね。
日本にも、いまだにいます。
「戦前はよかった。戦前に戻そう!」
という人たちが。
私も、戦前が全部悪かったとはいいません。
私の父もいいます。
「俺たちの子供だったころは、『修身』という授業があって『何が善で何が悪なのか』徹底的に教え込まれた。今の子供達は、教えられないから、何が善で、何が悪なの
かわからないだろう」と。
しかし、全般的に見ると、私は「戦前回帰」に反対です。
それは、「善悪」の話ではなく、
「戦前の体制で負けたから」です。
「負けた体制」に戻したら、今度は勝てるようになりますか?
そんな話は聞いたことがありません。
負けたら、負けた理由を分析し、勝てる体制に変えていくべきでしょう?
これは、「自虐史観」とは、全然関係話です。
私は、「日本が悪い国だから負けた」とは思いません。
ただ戦前の指導者、特に日ロ戦争後の指導者たちが
「負ける選択を繰り返してきた」
から負けたのです。
このことは認め、今度は「勝てる選択」をしていかなければなりません。
▼日本4.0
このように、ルトワックさんの意見では、
日本は、過去400年間、非常にうまく、戦略的に進んできた。
しかし、皆さんもご存知のように、「戦後システム= 日本3.0」はいきづまっています。
では、どうすればいいのでしょうか?
「日本4.0」は、どうやってつくればいいのでしょうか?
それは、長くなりますので、こちらをご一読ください。
全部わかります。
繰り返しますが、世界一の戦略家の教えを「800円+税」で学べるなど、ありえません。
迷うことなくゲットしてください。