エセー Les Essais

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あなたの悩み、エピクテトス先生に聞いてみよう。6

 

 


【哲学】エピクテトス 50年ぶりの邦訳『人生談義(上)』

降臨! エピクテトス先生。上司にムカつく30代男性の相談に答える!

紹介しよう。かの高名なエピクテトス先生にご降臨いただきました。

読者の方からの悩み相談が届いているので、ぜひ先生のお考えを聞かせていただけたらと。

では相談にいってみようか。こんなお悩みが届いています。

私は大学院で修士号をとった後、IT企業に勤めて6年目の男です。自分でいうのもなんですが、仕事はできるほうで自信もあります。ご相談したいのは自分のことではありません。今年の春に職場に新しい人が入ってきて、私の上司になりました。女性で私より5歳ほど若い人です。彼女はコンピュータに詳しいわけでもなければ、とりたてて仕事の経験や特殊な技能があるわけでもないのに、日々私たちにあれこれと指図をしてきます。しかも名前は呼び捨てです。非常識だし、理不尽だし、正直言うとムカつきます。仕事は気に入っているのですが、この状況に耐えられません。どうしたらいいのでしょうか。

 

先生曰く。。。 

なんだ、まだそんなことを言っているやつがおるのか! いささか驚くね。ローマでもこういう話は、それこそ馬に食わせるほど耳にしたものだ。そもそもなんだね、この男は。どこまで度量が小さいのか。だいたいなにを気にしているのか。自分の仕事に自信と誇りをもっているのはよろしい。だが、その後がよろしくない。自分より後からやってきた若い女性が上司になった。だからどうしたというのだ!

そもそも彼が部下という立場にあるのは、所属している組織の仕組みで決まっていることだ。能力の有無の問題ではない。組織の指揮系統のなかで、ある者は上司となり、ある者は部下となる。それだけのことじゃないかね?

その上司は監督者なのであろう?

そもそも監督者である上司と、部下であるこの男とでは、役割がまったく違う。だから見ているものもまったく違うんじゃないかね?

そもそも、彼がなすべきは、監督者と自分の専門の能力を比べることではない。そんなことをしてみたところで、なにも得るものはない。

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いったい君は、いい仕事をしたいのか? それとも他人の地位を気にして余計な心配で気を揉みたいだけなのか?

君がその組織でなすべきは、自分の専門能力を活かして最大限よい仕事をすることではないのか。上司が年下の女性だって? それによって君が自分の専門能力を発揮することにいったいどんな支障があるというのか? 年上の男性ならよかったのか? 上司が君と同じ専門知識を君よりはるかに持っていたらよかったのか?

監督者について考えるべきことがあるとすれば、監督者がその役割を適切に果たしているかどうかだ。ただし、この相談者の男が、監督の仕事を適切に判断できるかどうかはまた別の話だ。もし監督者がなすべき仕事を適切に果たしていないのなら、そのことについて当人なり、さらに上の人間と検討すればよい。だが、仮に役割や技能の区別もしないまま、これと同じ相談を、他の人やさらに上の立場の者に訴えたところで、一笑に付されるのがオチであろう。組織におけるそれぞれのメンバーの役割や技能を判断するというのも、なかなか難事業であるしな。

簡単なことではない。しかし、不可能というわけでもない。なぜなら、我々は権内に理性という能力をもっているからだ。これこそ、我々人間が唯一、権内において自由に行使することができる能力だ。

次回からは、我々の権内にある唯一の能力としての理性についてのお説を解説します。理性の勉強をした後に、あらためて先生にご登場を願い、いろいろ教えていただきたく思います。

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何悩んでんの?

最後まで読んでくれてありがとう。

本じゃ物足りねえって人は、相談に乗るよ。

俺でよかったら。

porigin@yahoo.co.jp

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忙しい身だけど、暇が出来て、気が向いたら返事するかも。