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富山の蘭室

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2020-10-04 | 御住職指導
正林寺御住職指導(R2.10月 第201号)

 

 日蓮正宗の末寺では毎年十月から十一月にかけて御会式が奉修され、宗祖日蓮大聖人の『立正安国論』が住職・主管により捧読されます。
 その『立正安国論』に、
「悦ばしいかな、汝蘭室の友に交はりて麻畝の性と成る。」(御書248)
との御指南があります。

 「富山の蘭室」とは、「蘭室の友に交はりて麻畝の性と成る」との御指南について、世情に蔓延る古義蘭菊した「蘭室」の解釈を精査するため限定的に具体化されての御言葉と拝します。
 第26世日寛上人は『末法相応抄』に、
「富山(ふさん)の蘭室」(六巻抄143)
と、広蔵院日辰の造仏論を破折されるにあたり仰せであり、『宗教深秘抄』にも、
「富山の蘭室に寓する歳有り吾豈其の香りを聞かざらんや」(富要10ー92)
とも仰せであります。
 その富山の蘭室とは、本門戒壇の大御本尊が在す総本山大石寺であります。また富士山は広宣流布の根源であることを信心で自覚した、日蓮正宗僧俗であり、その僧俗が集う寺院・教会は富山の蘭室となります。
 さらに、富山の蘭室の友に交わり異体同心するための絶対的な条件として、大聖人の『聖人御難事』に仰せである「余は二十七年なり」(御書1396)との元意は、弘安2年10月12日に御図顕あそばされた本門戒壇の大御本尊であり出世の御本懐であると心肝に染めることであります。
 御書について創価学会顕正会は「文義意」(御書文段263)の文証のみに拘り、血脈相伝による義と意を失うため、極理の師伝を重んじる祖書の妙香(みょうか)を聞(か)ぐことを得られず、また富山の竜象を軽んじるために、富山の蘭室に入ることはできません。そのため御書の解釈においても祖書の妙香からの甚だしい乖離が顕著であります。創価学会会館の蘭室や顕正会会館の蘭室は、大切な妙香を失った蘭室であり、富山の蘭室ではありません。富山の蘭室に入らなければ有り難い妙香を聞ぐことは一切できないのであります。
 富山の蘭室に入ることにより、御書を正しく拝することが可能となり、文義意を正しく心得た御書の拝読ができるのであります。さらに文証(文)・理証(義・意)・現証の上からも純粋な仏果として依正不二の原理へとつながります。その拝し方を心肝に染めることが大事であり、それが富士の立義であります。

 第56世日応上人も『弁惑観心抄』に、
「汝いまだ富山(ふざん)の蘭室に入らず。なんぞ我が法義の尊高を知らん。」(弁惑404)
と仰せであり、富士の立義から逸脱した京都要法寺・要山の蘭室に入る驥尾日守を破折されています。
 日蓮大聖人の仏法は「富山の蘭室」に入らなければ、正しい仏法を知ることはできないのであります。「血脈の次第 日蓮日興」(御書1675)との御指南から「富山」(御書1882)との文証は、日興上人の『五人所破抄』にも当然ながら確認することができます。

 さて、百日間唱題行が九月七日(月)から十二月十五日(火)まで実施されることになり、十月で一ヶ月経過することとなります。

 御法主日如上人猊下は、唱題行実施の目的について「百日間唱題行(九月七日)の砌」に、
「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝、法華講員八十万人体勢構築の誓願達成を目指して、宗内全寺院および全家庭において、一斉に百日間唱題行を実施することになりました。
 これは宗内の全僧俗が一日二時間の唱題行を百日間行い、その功徳と歓喜をもって、今、世界に蔓延しているコロナ禍や異常気象による災害など、眼前に立ち塞がる様々な難事・難局を乗り越え、折伏の大前進を図るためであります。」(大日蓮 第896号 R2.10)
と御指南であります。

 富山の蘭室に入るためには、必要不可欠な唱題行になります。さらに御会式では、立正安国論をはじめ御申状の捧読を聴聞され、尊い妙香に触れて境界を高め富山の蘭室に入り、明年の宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年をお迎え申し上げましょう。

 

宗祖日蓮大聖人『立正安国論』に曰く、
「汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊(やぶ)れんや。国に衰微(すいび)無く土に破壊(はえ)無くんば、身は是(これ)安全にして心は是禅定ならん。此の詞(ことば)此の言(こと)信ずべく崇(あが)むべし。」(御書250)

 

 

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