日蓮正宗のススメ

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Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 ロルフ・ドベリ (著), 安原実津 (翻訳)

 

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
 

去年買った本。

何度か、途切れ途切れに読んできたんだけど。

今までに読んだことのある、成功哲学系の浅はかなハウツー本ではなかった。

ハウツー本ではあるんだけど、合理的で冷静な観察眼を読者に与えてくれる。

◆目次◆

1.考えるより、行動しよう──「思考の飽和点」に達する前に始める
2.なんでも柔軟に修正しよう──完璧な条件設定が存在しないわけ
3.大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう
  ──最初に「全体図」を把握する
4.支払いを先にしよう──わざと「心の錯覚」を起こす
5.簡単に頼みごとに応じるのはやめよう──小さな親切に潜む大きな罠
6.戦略的に「頑固」になろう──「宣誓」することの強さを知る
7.好ましくない現実こそ受け入れよう──失敗から学習する
8.必要なテクノロジー以外は持たない──それは時間の短縮か? 浪費か?
9.幸せを台無しにするような要因を取り除こう──問題を避けて手に入れる豊かさ
10.謙虚さを心がけよう──あなたの成功は自ら手に入れたものではない
11.自分の感情に従うのはやめよう──自分の気持ちから距離を置く方法
12.本音を出しすぎないようにしよう──あなたにも「外交官」が必要なわけ
13.ものごとを全体的にとらえよう──特定の要素だけを過大評価しない
14.買い物は控えめにしよう──「モノ」より「経験」にお金を使ったほうがいい理由
15.貯蓄をしよう──経済的な自立を維持する
16.自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう──「能力の輪」をつくる
17.静かな生活を大事にしよう──冒険好きな人より、退屈な人のほうが成功する
18.天職を追い求めるのはやめよう──できることを仕事にする
19.SNSの評価から離れよう──自分の中にある基準を見つける
20.自分と波長の合う相手を選ぼう──自分は変えられても、他人は変えられない
21.目標を立てよう──人生には「大きな意義」と「小さな意義」がある
22.思い出づくりよりも、いまを大切にしよう──人生はアルバムとは違うわけ
23.「現在」を楽しもう──「経験」は「記憶」よりも価値がある
24.本当の自分を知ろう──あなたの「自分像」が間違っている理由
25.死よりも、人生について考えよう
  ──人生最後のときに思いをめぐらせても意味がない理由
26.楽しさとやりがいの両方を目指そう──快楽の要素と意義の要素
27.自分のポリシーをつらぬこう──「尊厳の輪」をつくる その1
28.自分を守ろう──「尊厳の輪」をつくる その2
29.そそられるオファーが来たときの判断を謝らない「尊厳の輪」をつくる その3
30.不要な心配ごとを避けよう──不安のスイッチをオフにする方法
31.性急に意見を述べるのはやめよう──意見がないほうが人生がよくなる理由
32.「精神的な砦」を持とう──運命の女神の輪
33.嫉妬を上手にコントロールしよう──自分を他人と比較しない
34.解決よりも、予防をしよう──賢明さとは「予防措置」をほどこすこと
35.世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう
  ──世の中の惨事を自分なりに処理する方法
36.注意の向け方を考えよう──もっとも重要な資源との付き合い方
37.読書の仕方を変えてみよう──読書効果を最大限に引き出す方法
38.自分の頭で考えよう──イデオロギーを避けたほうがいい理由
39.「心の引き算」をしよう──自分の幸せに気づくための戦略
40.相手の立場になってみよう──「役割交換」することのメリット
41.自己憐憫に浸るのはやめよう──過去をほじくり返すことが無意味なわけ
42.世界の不公正さを受け入れよう──自分の日常生活に意識を集中する
43.形だけを模倣するのはやめよう──カーゴ・カルトの犠牲にならない
44.専門分野を持とう──「多才な人」より「スペシャリスト」を目指す
45.軍拡競争に気をつけよう──競争が激しいところにわざわざ飛び込まない
46.組織に属さない人たちと交流を持とう──組織外の友人がもたらしてくれるもの
47.期待を管理しよう──期待は少ないほうが幸せになれる
48.本当に価値のあるものを見極めよう──あらゆるものの90パーセントは無駄である
49.自分を重要視しすぎないようにしよう──謙虚であることの利点
50.世界を変えるという幻想を捨てよう──世界に「偉人」は存在しない理由
51.自分の人生に集中しよう──誰かを「偉人」に仕立てあげるべきではない理由
52.内なる成功を目指そう──物質的な成功より内面の充実のほうが大事なわけ

私の心に刺さったのは、

38.自分の頭で考えよう──イデオロギーを避けたほうがいい理由 

43.形だけを模倣するのはやめよう──カーゴ・カルトの犠牲にならない

の二つだ。

作者のロルフ・ドベリさんはスイス人。永世中立国の人。

思考の立ち位置は、不可知論者かな。そして経験論的でもある。決して理性主義ではない。理性主義は机上の空論=イデオロギーを生み出し、心酔してしまう傾向がある。

彼は、イデオロギーに染まった集団に近づかないことを勧める。

イデオロギーかどうかの見極め方法は3つ。

  • あらゆる事象に対する説明が用意されている。
  • 反論の余地がない。
  • 不明瞭。

イデオロギーとは教条主義のことで、何かの原理・原則に固執して生きるように、人々を洗脳する思想や宗教を言う。例としてマルクス主義が挙げられているが、キリスト教などの普遍性を強調するドグマ宗教も指しているようだ。

また、著者は、イデオロギーに染まった教条主義者でありながら、わずかでもよい人生を送っている人には、一人も出逢ったことがないという。

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カーゴカルト(積荷崇拝教)

カーゴ・カルト(cargo cult)とは、主としてメラネシアなどに存在する招神信仰である。いつの日か、先祖の霊・または神が、天国から船や飛行機に文明の利器を搭載して自分達のもとに現れる、という現世利益的な信仰である。直訳すると「積荷信仰(つみにしんこう)」。「海の向こうから神が豊穣をもたらす」という信仰自体は、日本のまれびと信仰、琉球ニライカナイ信仰など、アジアの島嶼地域の信仰としては普遍的なものであるが、近代文明の捉え方について独特の形態をとることが特徴である。

近代まで文明の利器を知らなかった現地人は西洋人が持ち込んできた工業製品に対して、これは当地の先住民のために神が作ったものであり、白人は神と特別な繋がりを持って不当にそれらを占有したのだ、と考えた。

したがって、カーゴ・カルトでは、白人達の振る舞いと同じような儀式を行うことで「白人」の影響を打ち破り、先祖が自分達を認識し白人にではなく自分達に積荷を送ってくれるようになる、とされている。また、白人は先祖が姿を変えたものだ、という理解もある。

カーゴ・カルト - Wikipedia

ナチスが大衆演説で、「我々は農民には小麦の買取価格の値上げを!工場主や商店主にはパンの販売収益の増大を!消費者にはパンの値下げを約束する!それは、ナチスが決める価格である!」と叫び喝さいを得た状況に酷似している。

つまり、ファシズムは日常に潜み、虫のいいことを願う功徳乞食を餌食にするという構図。創価学会顕正会で散々味わってきた、あの感覚だ。教義(ドグマ)が与える陶酔感。

教義(きょうぎ、英: dogma、ドグマ)とは

宗教の教えを体系化したもの。多岐に亘る宗教があり、そのいずれにも独自の教義が存在し、各々の宗教を信奉する人が、これに則って物事を理解したり判断する助けとなるものとされる。教理とは相違がある。転じて、一定集団の中においてのみ支持されているルールや考え方も、比喩的に教義と呼ばれることがある。また教義を絶対化する、あるいは固執する傾向を教条主義(英: dogmatism)という。イデオロギー。そして、ドグマに染まり他者をも教化しようとする者を、教条主義者≒イデオローグという。

私は、自らの信仰を健全に保つためにも、この本を座右の書とし、不可知論・保守主義・経験論の中で思索を続けて行きたいと思った。

自分の宗教だけは大丈夫。

拝んでさえいれば安心。

信仰的怠慢こそが、教条主義や宗教ファシズムカーゴ・カルトの源泉だと信じている。 

 

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