日蓮正宗のススメ

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人生は廻る輪のように (角川文庫) エリザベス・キューブラー・ロス (著) 読了

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霊体って存在するのでしょうか?

夫以みれば日蓮幼少の時より仏法を学び候しが念願すらく人の寿命は無常なり、出る気は入る気を待つ事なし・風の前の露尚譬えにあらず、かしこきもはかなきも老いたるも若きも定め無き習いなり、されば先臨終の事を習うて後に他事を習うべしと思いて、一代聖教の論師・人師の書釈あらあらかんがへあつめて此を明鏡として、一切の諸人の死する時と並に臨終の後とに引き向えてみ候へばすこしもくもりなし(妙法尼御前御返事)

エリザベス・キューブラー・ロス博士の自伝を読んで、まず頭に浮かんだのは上記の御金言でした。

彼女は精神科医でありながら、哲学者でもありました。

「死」を見つめて生きた人生でした。

彼女の本には、難しい言葉はありませんでした。

粉飾や誇張がないことを信じたいと思います。

私には真似のできない、まっすぐで思いやりに溢れた人生です。

彼女は常に、死にゆく人、病気に苦しむ人、精神を害った人の味方でした。

そして、観念論ではなく実践の人でした。

  • 二十歳で死のうが、五十歳で死のうが、九十歳まで生きようが、それは問題ではありません。重要なのは自分の役割を果たすことです
  • 自分がやりたいことをやればいいのです。もちろん、貧乏になってしまうかもしれません。だけど、毎日を全身全霊で生きることができます
  • じっと座っているだけで豪華な食事を誰かが運んできてくれたら、あなたは成長しないでしょう
  • 苦難は決して罰ではなく、あなたへの贈り物なのです
  • 苦痛や病気、喪失に立ち向かうからこそ、あなたは成長するのです
  • 苦難こそが成長するための機会です
  • 神様だってあなたに背負えない試練は与えたりしません
  • 人生は本当に短いのです
  • これ以上落ち込めないと自覚した時、心は静かに浮かび上がっていき、これまで自分を支えてくれていたものに気づくことになるでしょう
  • どんな経験にも必ず意味を見い出せます
  • 人生における究極の秘訣は、常に最良の選択をしていくことです
  • 誰か一人でもいいから、人の為に何か出来る人間になれたとしたら、それはとてもやりがいがあるし、生きていた甲斐がある
  • 感情を隠さないこと。思い切り泣いて絶望の底まで落ちなさい。大丈夫などと見せかけの強がりはしないこと
  • 人間の平和な死を見るとき、我々は消え行く星星を想う。広大な空にまかれた何百万もの小さな光の一つが、一瞬きらめいて永遠の無限の中へ消え去っていく
  • 言葉を超えた沈黙のうちに、死に行く患者と一緒に座る力と愛とを持った人たちは、この瞬間が恐ろしくも痛ましくもなく、肉体の機能が平和のうちに終わる瞬間であることを知るであろう
  • 私が知りうる最も美しい人とは、もがき、苦しみ、敗北を知り、苦労が水の泡になっても、なお自分の力で道を切り拓いた人だ。彼らは繊細で、感謝を忘れない。その人生は、理解や親切心、愛情深さで溢れている
  • 全ての出来事は私たちに与えられた恵み、何かを学ぶ機会なのだ
  • この世には失敗もなければ偶然もない
  • 『ごめんなさい』や『愛しているよ』という言葉を伝えるのに、いつだって遅過ぎることはないのです
  • あなたが正しいと感じたことをする時は直感が働いています
  • 自分自身のやり残した仕事を片付けること。それが世界に変化をもたらす唯一の方法です

彼女の言葉はどれもが珠玉の格言でした。

また、試練と向き合い挑み続けるかのような人生でもありました。

スイスで過ごした少女時代、難民救済活動、ナチス強制収容所で出会った蝶の壁画の謎、医師への道、結婚とアメリカへの移住、終末期医療と死の科学への取り組み、夫との別離、体外離脱体験、詐欺及び殺人未遂被害、ヒーリングセンターの設立、放火によるすべての焼失…。

人生のトピックに安穏や怠惰は見受けられません。

孟子

  • 千万人と雖も吾往かん(自ら省みて正しければ、敵対者や反対者がどんなに多くとも、恐れることなく自分の信ずる道を進もう)
  • 天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしめ、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、おこなうこと、そのなさんとする所に払乱せしむ(天が人に大任を授けようとするときは、必ずまずその人の身心を苦しめ、窮乏の境遇におき、何を行ってもすべて失敗をさせて、わざわざその人を鍛えるものなのである。つまり、不運は天の試練として受け止めるべきものなのである)

という、有名な言葉を受け止め体現したような人生であったと思います。

彼女は、死後の生命の存続を信じていました。

彼女の体験では、霊体との交信(会話・接触・啓示の受け入れ)や、身近な人物の幽霊との接触が語られています。

その内容をどのように受け留めればいいのか、私には正確な見識はありませんが、人の心は死後も存続することに異論を持ちませんでした。

無償の愛。

彼女が常に目標とした信念に感服した次第であります。

ぜひ、一度読んでみて欲しい一冊です。

私にとっては、哲学者の書いた哲学書よりも、深い感銘を受けた本でした。

想像や観念思惟で創造したことではなく、実体験に裏打ちされている臨床哲学とでもいうのでしょうか、これぞ本物の実存哲学の書であると思ったのです。 

人生は廻る輪のように (角川文庫)

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引き続き 

を読んでみたいと思っています。 

 

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