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機を知る

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 日蓮大聖人は「機」について『教機時国抄』に、
 「二に機とは、仏教を弘むる人は必ず機根を知るべし。(中 略)智慧第一の舎利弗すら尚(なお)機を知らず。何(いか)に況(いわ)んや末代の凡師(ぼんし)機を知り難し。(中 略)又謗法の者に向かっては一向に法華経を説くべし。毒鼓(どっく)の縁と成さんが為なり。例せば不軽菩薩の如し。亦(また)智者と成るべき機と知らば必ず先づ小乗を教へ、次に権大乗を教へ、後に実大乗を教ふべし。愚者と知らば必ず先づ実大乗を教ふべし。信謗(しんぼう)共に下種と為(な)ればなり。」(御書270)
と御教示であります。機とは、機根のことです。相手が理解して、受け入れられる器です。また気持ちや心の中など、外見では判断できない複雑な心理のことです。生活の中では、この心理状態を冷静になって見ていくことが大事です。
 信心をしない人は、お互いの「機」をよく理解しないため、自己中心的になり、人間関係や対人関係が縺(もつ)れ、「依正不二」により住む環境にも影響していきます。家族間の様々な問題は、正しく信心に立脚しない、我慢偏執からきており、御本尊様を信じない謗法から来ていることが明白です。
 自行化他において、「機」を十分に考えることです。御本尊様を信じ、異体同心して行くところに、お互いの正確な機根・性格を知ることが出来、人間関係を円滑にします。その結果、「我此土安穏」という住みよい環境に、御本尊様の利益によって実現します。
 「機」である機根を知ることは、折伏成就の要素にもなります。「己を知り敵を知る」という、自分自身のことは当然、相手のことも十分に理解することです。相手を取り巻く複雑な環境や、人間関係を観察し分析せず、自己中心的な我見の努力と信念だけで、認めてもらおうとしても焼け石に水です。相手の気持ちと相手を取り巻く対人関係によって、積み重ねた努力が、一瞬にして水蒸気と化してしまいます。その結果、御本尊様を疑い退転しかねません。十分に気を付けなければいけない点です。
 信心では水蒸気にならないよう、禅定を心がけて一歩踏みとどまり、相手の受け入れる素養や器、機根と周囲の状況など、その時の気分や心理状態を察して行きます。人間というものは常に心が変動しています。御本尊様のように平常心である禅定を持つのは、信心しない限り、一定に持つことは困難です。相手に納得させるには機会を窺い、勤行唱題で的確な機会を掴むことが大事です。そこに折伏成就があります。
 「機」を知るとは、相手の様々な因縁に依って生まれる、心の変化を知ることです。軽はずみに第一印象で判断してはいけないという、信心においての戒めがあります。それが、「機」を知ることになります。
 信心しない多くの人は、第一印象で相手の「機」という性格や度量を判断しがちです。素直な性格の人であれば、第一印象で判断しても問題ありませんが、第一印象を上手く利用して、裏では何をするか信用できない人もいます。末法濁悪世には、特に第一印象と裏腹な人々が横行する時代です。信心において、「機」を知るとは、この点を御本尊様から有り難い功徳を頂いて、明らかに見ていくことになります。そこに、即身成仏に繋がる尊い道が隠されています。
 信心では、「機」を明らかに見える眼を磨いていき、それが唱題行です。

機を知る - 正林寺法華講員手引書

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