2019-08-22

信心を妨げる睡魔について

f:id:ekikyorongo:20190815140709j:plain — 目が覚めるような・・・

　睡魔とは、眠気が襲ってくる魔の働きです。生活のリズムが乱れると、必要ないときに眠気が襲ってきます。睡魔が襲ってくる背景は様々です。信心では、「不自惜身命」の精神を忘れたとき出現する魔です。睡魔の特長は集中力を無くさせ、記憶力を低下させます。意識が朦朧（もうろう）とし、睡眠欲が渦巻く欲望の世界へと堕落させます。信心は睡魔との闘いでもあります。
　人間は、生きていく上で睡眠は大切です。睡眠をとらなければ、人間はストレスがたまり、病気を起こし、更に死に至る場合があります。自分の体調と体質にあわせて、生活に支障のないよう適度な睡眠が大事です。
　睡眠の効能は、昨日までの嫌な出来事を忘れさせる働きがあります。善知識と考えた場合がそれです。また睡眠をとることで、脳内から精神を安定させる脳内物質が大量に分泌され、禅定の境界を助ける作用があります。これらの働き以外に生活を堕落させる睡魔には、充分に気を付けなくてはいけません。
　日々の勤行唱題では、睡眠の必要性について考え直すことも大事です。有効的に生活を円満にし、他人にも迷惑をかけない睡眠が理想的です。睡眠も信心即生活に於ける大事な修行です。
　しかし、その反対に魔の働きをなす「睡魔」に翻弄されないようにしましょう。信心で睡魔が襲ってくる時とは、勤行唱題や日蓮大聖人の教えが説かれる、寺院での大事な法話の時です。信心以外の生活では、車の運転中や、生活のなかで、ふと気を抜いたとき、気持ちの緩め方を間違えると、その時に道を外すことがあります。勤行唱題では、生活で気を抜くタイミングを充分に観察することです。
　睡眠は善悪不二です。因縁により睡眠という一つの心理が善と悪とに別れます。信心では、善によく働くよう勤めます。「止暇断眠」の眠りを断つとは、戒という意味があり防非止悪です。睡眠の中でも、悪へ働く睡眠は止め、悪影響をもたらす睡眠を断つことで、幸せな「我此土安穏」があります。
　睡眠の必要性と不必要な部分を認識し、生活に睡眠の必要なところを取り入れます。睡眠も煩悩です。私達の煩悩、心を煩わす悩みや欲望は、扱い次第で生活を快適にし、反対に堕落へと導くものです。
　睡魔は、人間の本能的な迷いで、人間誰にでも襲ってくる魔です。睡魔を感じたときは、気持ちを切り替え気分転換することです。歓喜が薄れた同じ様な生活リズムに、睡魔という眠気を誘う要素が沢山あります。睡魔を呼び起こす生活リズムは改善することが大切です。勤行唱題で生活様式を改め直すことです。改め直すことで、仏様が住まわれる「常寂光土」を現実にすることが出来ます。具体的な改善方法は、勤行唱題において御本尊様から有り難い智慧を賜ることです。「以信代慧」によって必ず尊い智慧があります。
　眠気には、体を休める休養のためと、精神を堕落させる、二つの眠気があります。信心ではこの違いを明らかに見分け、生活に眠気を成仏の因へと変毒為薬し、睡魔を生活の潤滑油に変えていきます。つまり、睡魔の利用価値は、睡眠をとる時間帯に全てを注ぐことで、睡魔が生活を快適にします。魔の働きも、理論的に一念三千を具えております。仏菩薩の境界に通じる方向に利用することで、煩悩即菩提という悟りの智慧に変化します。この考え方は日蓮正宗だけに伝わっており、御本尊様に御題目を唱えるところ智慧に変わります。
　人生を堕落させる睡魔が襲ってきたときは、御本尊様に御題目を大きな声で唱え、目を覚まさせることです。寺院での唱題行は、睡魔を正しく扱っていく大切な修行です。