ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう 単行本 – 2019/3/14 スティーヴン・ホーキング (著), 青木 薫 (翻訳)
内容紹介
ホーキング、最後の書き下ろし
NHK「クローズアップ現代+」“ホーキングの遺言"(3月6日放送)で話題!
天才物理学者が生涯をかけて紡いだ希望のメッセージとは?地球温暖化が進み、核の脅威が増し、人工知能が人間を脅かす時代に、
私たちはどのように考え、未来を形作っていけばよいのか――。
誰もが抱いている10の疑問に博士がわかりやすく答えた全人類への最良の贈り物。◆本書登録の10のビッグ・クエスチョン
1 神は存在するのか?
2 宇宙はどのように始まったのか?
3 宇宙には人間のほかにも知的生命は存在するのか?
4 未来を予言することはできるのか?
5 ブラックホールの内部には何があるのか?
6 タイムトラベルは可能なのか?
7 人間は地球で生きていくべきなのか?
8 宇宙に植民地を建設するべきなのか?
9 人工知能は人間より賢くなるのか?
10 より良い未来のために何ができるのか?なぜビッグ・クエスチョンを問うべきなのか
私は、本書に取り上げたビッグ・クエスチョンを考えると胸が躍るし、それらを探究することに情熱を傾けている。
その興奮と情熱を、みなさんに伝えたい。私たちが向かう未来を、誰もが行きたいと思うような未来にするために、力を合わせようではないか。(本書より抜粋)
高校一年の時にホーキングを知った。
車いすの天才物理学者ーそれが当時の彼の代名詞だった。当時出版された、ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)を読んだ記憶があるが、よく分かったような分からないような。。。

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: スティーヴン・W.ホーキング,Stephen W. Hawking,林一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1995/04/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (66件) を見る
高校生の時、毎日、昼休みは図書館で過ごした。
科学雑誌 Newton(ニュートン) を読むのが楽しみだった、科学ファンの私は、雑誌に描かれる様々なイメージ図が好きだった。
特に最新宇宙論についての記事では、天体の写真や量子力学のイメージ図に心を奪われた。
今回、久しぶりにスティーヴン・ホーキング博士の本を読んで、その分かりやすさに感動した。10のビッグ・クエスチョンは数式なしで解説されている。あくまでも博士の考えだが。
問いそのものが形而上学的な問いかけなのだが、最新物理学が検証不能の領域に踏み込みつつあることを物語っている様に感じた。
私は現代世界の不幸の根源は、米ソ二大国が科学至上主義で、第二次大戦以降の世界を牽引してきてしまった結果だと思っているのだが、科学の最先端の一分野を担ってきた人の遺作が、あまりに哲学的であったことに安堵した。
法華経に
爾時世尊。從三昧安詳而起。告舍利弗。諸仏智慧。甚深無量。其智慧門。難解難入。一切聲聞。辟支仏。所不能知。(妙法蓮華経 方便品第二)
爾の時に世尊、三昧より安詳として起ちて、舎利弗に告げたまわく、
諸仏の智慧は甚深無量なり。其の智慧の門は難解難入なり。一切の声聞、辟支仏の知ること能わざる所なり。
とあるのを思い出した。
一切智を有する仏の智慧は、 一切の声聞、辟支仏の知ること能わざる所なのだ。
つまり、いくら科学的理論の発展が続こうとも、ビッグ・クエスチョンはクエスチョンとして残り続けるだろう。
しかし、博士の憂慮する人類滅亡を食い止めたいという意志は、尊重したいと思った。
博士の想像する答えにあなたは賛成するか反対するか、それは自由である。
一度読んでみる価値のある本として、今を生きる日本人に推奨したい。