日蓮正宗のススメ

人生談義と時事放談

PVアクセスランキング にほんブログ村 日蓮正宗のススメ - にほんブログ村

願兼於業は地涌の菩薩の証

f:id:ekikyorongo:20190429210609j:plain

 『開目抄』に、
 「願兼於業(がんけんおごう)と申して、つくりたくなき罪なれども、父母等の地獄に堕ちて大苦をうくるを見て、かた(形)のごとく其の業を造りて、願って地獄に堕ちて苦しむに同じ。苦に代はれるを悦びとするがごとし。此も又かくのごとし。当時の責めはたう(堪)べくもなけれども、未来の悪道を脱すらんとをもえば悦ぶなり」(御書541)
と「願兼於業」について日蓮大聖人は御教示であります。「願(ねがい)、業を兼(か)ぬ」と読みます。「願兼於業」は四弘誓願(しぐせいがん)における衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)です。世の中には、自ら進んで地獄の苦しみを経験し、その経験を活かして悩み苦しんでいる人達を、救おうという人は非常に稀であります。それが「願兼於業」であります。願兼於業を私達に化儀化法の形で、具体的に大慈大悲の上から御指南下されたのが、宗祖日蓮大聖人であります。
 日蓮大聖人は、末法である現代の仏様として、私達が経験する苦悩(四苦八苦)を我が身に全て受けられ、更に様々な大難小難を体験された上から有り難い教えを残されました。文証理証現証という三証から「御書」という書物に残されたのであります。御書が「願兼於業」の御一代記です。この御書を私達の心に刻み、信心に励むところ願兼於業の一分を拝することが出来ます。
 信心をしていて、様々な苦難や法難にあう意味には、願兼於業が含まれます。苦難や法難にあうことで、マイナス思考になることなく、信心が更に向上し善知識であるプラス思考と、苦難と法難を考えることが大事です。そして地涌の菩薩という自覚に立ち、苦難を乗り越えるわけであります。人生の苦難と法難で経験したことが、成仏において大切な仏果に結びつきます。
 「願兼於業」はプラス思考の眼力を高め、仏様になるための必要不可欠になる修行です。ふつうは好き好んで悪業をつくることを忌み嫌います。信心をしていても、棚ぼた式の御利益主義になりやすいですが、順境に甘んじることなく、更にその順境をあえて退け、願って悪業をつくることが願兼於業です。
 過去世においてあらゆる功徳に満足した人は、最終的に他の迷える人を救済しようという願望に変わります。それが「願兼於業」という衆生無辺誓願度です。真の地涌の菩薩における誓願であり願望であります。
 『御講聞書』に、
 「四弘誓願の中には衆生無辺誓願度肝要なり。今日蓮等の類は南無妙法蓮華経を以て衆生を度する、是より外(ほか)には所詮無きなり」(御書1862)
と仰せでありますように、御題目の南無妙法蓮華経を唱える以外に、苦悩に喘ぐ人々を救うことが出来ません。
 信心をして四苦八苦などの苦難を経験し、日蓮正宗の信心をもって克服していくことで苦難に彷徨う、世の中の人達を折伏して救っていくことが出来ます。自他共に幸せになる願いが「願兼於業」です。寺院に御安置されております御本尊様に、御題目を唱えるとき個々の様々な苦難は消滅され、我此土安穏な境遇にかわります。

blog.goo.ne.jp