他人の人生をうらやましく思わない方がいい理由
誰かの人生を「うらやましい!」と思うことはありますか????
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
私たちは、毎日膨大な量の情報を受け取っています。
しかし、99.999%の情報は、スルーされていく。
残りの情報は、少しの期間記憶に残りますが、しばらくすると消えてしまいます。
長く長く記憶に残る情報は、ホントにわずかです。
今回は、私の記憶に長く長く残っている話。
モスクワ国際関係大学で、ロシア語の授業にでていた時の話。
そもそも少人数のクラスだったのですが、その日は、なんと「先生と私だけ」でした。
残りの生徒は、病欠だったのか、さぼりだったのか。
とにかく女性の先生が、「これじゃあ授業にならないから、いろいろロシア語で話しましょう」といいました。
先生がいろいろ私に質問し、私がロシア語で答える。
先生が、「哲学的」な質問をしました。
「人生の真実って何かしら???」
こんなこと聞かれたら、皆さんなんと答えますか?
困るのではないでしょうか?
ところが、「天風哲学」にハマっていた私は、あまり考えずに、こう答えました。
「思考は現実化する!」
これ、ナポレオン・ヒルの日本語版タイトルになっていますね。
でも、私の頭にあったのは、中村天風先生の教えでした。
すると、おそらく50代ぐらいだろう女性の先生は、にっこり微笑みました。
彼女が何を思ったのかわかりませんが、たぶん「君は若いの〜〜」と考えたのでしょう。
「思考は現実化する」について彼女はコメントせず、いいました。
「私が思う『人生の真実」はね、『人は、すべてを得ることができない』ということなのよ。」
私は意味がわからず、「どういうことですか?」と聞きかえしました。
先生は、「たとえば、ものすごくお金がある人は、夫婦関係が破綻している。お金がものすごくあって、夫婦関係もいい場合、子供ができない。あるいは、グレる。ものすごくイケメンなのに、なぜか結婚できない。両親が健康で出世しているのに、子供が病弱だったりぐれてたり。とにかく、人生のいろいろ方面で、『すべていい』という人はいないのよ。」
20代で、エネルギーに満ち溢れていた私は、この話、非常に懐疑的に聞いていました。
「すべてうまくいく人だっているはずだ」と思ったのです。
しかし、先生の言葉は、とても印象深く私の脳裏に刻まれました。
それで、25年以上経った今も覚えていて、皆さんにお話ししている。
実際どうなのでしょうか?
▼妻の同級会で
妻が大学の同級会にいったときの話。
卒業して20年ぐらい経っているので、同級生の人生もいろいろだそうです。
一番出世した人は、ロシアの巨大国営企業のトップになっていました。
奥さんとの仲はとてもいいのですが、「子供が欲しかったができない」と嘆いていた。
世界を飛び回る有名写真家になった人もいました。
イケメンで、モテモテだった彼は、一度結婚して、すぐ離婚していました。
お父さんが有名な教授である女性。
美人で、メチャクチャ頭も性格もよく、ロシア政府と民間著名人をつなぐ機関のトップになっていました。
彼女は、結婚していません。
(そもそも、「結婚必要ない」「子供いらない」という人もいます。それは個人の自由だと思いますが、ここでは、「子供欲しかったができない」「結婚したいけどできない」という意味です。)
その他、妻は同級生の話をいろいろしてくれましたが、聞いていて感じたのは、誰の人生にも、いい部分と悪い部分が共存しているということです。
大昔、大学の先生にいわれたこと、また思い出すことになりました。
私自身はどうでしょうか?
今回の本、今までの本とはかなり違います。
・私は、どうやって今の妻と出会い口説いたのか?
・なぜ知り合ってから10年結婚できなかったのか?
・私の介護体験
・子供の問題
などなど、結構「個人的」な話がでてきます。
別に、自分をえらく見せたいわけでも、あるいは「不幸自慢」したいわけでもありません。
ただ、「どこで日本が今抱える問題と解決策に気がついたのか」示すために「個人的な話」を出したのです。
そして、25年以上前に先生にいわれたこと、いまさらながら「そのとおりかもしれないな」と思います。
皆さん、誰かの人生をうらやましく思うことがありますか?
しかし、私たちは、その人の明るい面ばかりを見て、裏の苦労を知らないに違いありません。
知ったら、「人生交換したい」とは思わない」かもしれません。
なにはともあれ、他人の人生をうらやましく思わない方がいいです。
人生はロールプレイングゲーム。
あなたは、必ず試練に直面します。
同時に、あなたに知恵を授けてくれる賢者、あなたを助けてくれる仲間が現れます。
試練をクリアすると、しばらく平和な時期がつづく。
そして、また試練が訪れる。
私も私のロールプレイングゲームをしています。
・留学した翌年、ソ連が崩壊した
・一文なしになった
・ロシアの民族主義者に襲われて死にそうになった
・結婚を喜ぶ間もなく、義母、義父の介護生活がはじまった
などなど。
苦労もあれば、喜びもあり。
こういうのは、死ぬまでつづくのでしょう。
死ぬときは、「間違いもあったけど、多くのケースで正しい選択をした。苦労もあったけど、楽しいことも多い人生だった」といえるようにしたいと思います。
その時、「私がこの仕事をはじめた時、日本はアメリカ幕府の天領だった。今、日本は自立国家になり、世界で一番、国民が健康で幸せで豊かな国になった」と思えれば、最高ですね。
それぞれのゲーム、がんばって進んでいきましょう。
その課題、あなたにしか解決できません。

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